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On the Production
by 井口健二
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■ゴースト・イン・ザ・シェル、BLAME!
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『ゴースト・イン・ザ・シェル』“Ghost in the Shell”
1999年『マトリックス』の基になったとされる2008年7月紹
介、押井守監督のアニメーション『攻殻機動隊』をハリウッ
ドで実写リメイクした作品。実は2週前に試写が行われてい
たものだが、情報の露出が制限されて、それがようやく解禁
となった。
舞台は近未来。主人公は政権直属の対テロ組織公安9課に所
属する少佐。以前に遭った悲惨な事故で脳を除く身体の全て
は義体と呼ばれるサイボーグになっている。そんな主人公が
新たな組織との戦いを迎える。
その組織は、他者の脳をハッキングするという新たな攻撃を
仕掛けてきた。その戦いの中、少佐は自己の生体の中で唯一
残されていた脳の記憶が操作されているのではないかという
疑問に直面する。
出演はスカーレット・ヨハンセン、2016年9月紹介『ある戦
争』などのデンマーク俳優ピルー・アスベック。さらにビー
トたけし、ジュリエット・ビノシュ、マイクル・ピット。ま
た2011年10月紹介『永遠の僕たち』などのチン・ハン、オー
ストラリアに本拠を置くスタント・パフォーマーの泉原豊ら
が脇を固めている。他にゲスト出演もある。
監督は、2012年6月紹介『スノーホワイト』などのルパート
・サンダース。脚本は、2002年『ザ・リング』(ハリウッド
リメイク)を手掛けたアーレン・クルーガーと、ジェイミー
・モス、ウィリアム・ウィーラーの3人が担当している。
劇中のビートたけしの台詞は全て日本語で、それにヨハンセ
ンらが英語で受け答えする。その演出に、試写後に聞こえた
会話では、「たけしが英語は否だって言ったんじゃない?」
という声もあったが、この演出が理解されないと物語全体の
世界観が崩れそうだ。
とは言うものの、僕自身も2008年に観たアニメーションの時
からこの世界観についていけないところがあって、正直に言
って物語は消化し切れていない。でもまあ映像は面白いし、
最近の観客はそれで満足してくれるのだろう。
ただ、オリジナルではリアルとヴァーチャルの狭間みたいな
話がもう少し提示されていたと思うが、その辺が本作では希
薄になっているようだ。それを言ったからといって世界観が
明瞭になるものでもないが。
取り敢えず日本発の物語が新たに開幕したことには、とやか
く言わずに喜びたいものだ。続編も期待できる展開にも見え
たし…。
公開は4月7日より全国ロードショウとなる。

『BLAME!』
2015年公開『シドニアの騎士』の原作者で講談社漫画賞を受
賞した弐瓶勉が、1997年から2003年に発表したデビュー作を
自らの総監修で映像化した作品。
背景は、巨大な階層都市が増殖を続ける暗黒の未来。以前の
人類はその都市にアクセスする能力を持ち、都市を制御して
豊かな生活を送っていたらしい。ところが「感染」によって
その能力が失われ、都市は無秩序な増殖を続けるとともに、
アクセスできない人類を寄生物と見做して駆除し始める。
そんな時代が長く続き、人々からは都市の支配者だった記憶
も消え失せた頃。僅かに残った人類は都市の監視の目の届か
ない場所に隠れ住み、都市から食料をかすめ取りながら細々
と暮らしていた。そして主人公の少女は若くして食料調達を
担っていたが、その食料も尽き始めていた。
そんな主人公が仲間と新たな食料の調達に向った時、都市の
「監視者」に襲われ、仲間の多くを失ってしまう。ところが
そこに謎の男が現れ、「監視者」を一撃で倒してしまう。そ
して隠れ家についてきた男は、都市にアクセス可能な遺伝子
を持つ者を探していると語る。
さらに男の言葉から、隠れ家の中の禁忌の場所に秘密のある

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04月02日(日)
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