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On the Production
by 井口健二
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■ハロルドとリリアン、スプリット、リトル京太の冒険
のかもしれない。
しかしその短編を観ていない観客が現にここにいる訳で、本
作の制作に当ってはその点を少し考慮して欲しかったと思っ
たものだ。その点を除けば本作は、子供目線で巧みに状況を
描いていたと思う。
従って特に子供たちにしっかりと観て貰いたい作品だ。
公開は4月1日より、東京は渋谷のシアター・イメージフォ
ーラム他にて、全国順次ロードショウとなる。

この週は他に
『猫忍』
(2013年12月紹介『猫侍』をヒットさせたスタッフが新たに
仕掛ける人間×猫のコラボ作品。この作品も先にテレビシリ
ーズがあり、本作はその完結編のような展開になっている。
物語は江戸時代の太平の世。乱世に活躍した忍者は役目もな
くなっていた。そんな中で主人公の暮らす忍者の里で秘伝の
巻物「変化の術」が解かれ、主人公の父はそれと共に姿を消
す。そこには父親と同じ特徴を持つ猫がいたが…。斯くして
その猫と共に抜け忍となった主人公は「変化の術」の謎を追
う。主演はミュージカル俳優の大野拓朗と猫の金時。その脇
を佐藤江梨子、藤本泉、渋川晴彦、鈴木福、ふせえり、永澤
俊矢、柄本明、麿赤児、船越英一郎らが固めている。公開は
5月20日より、全国ロードショウ。)
『トモシビ-銚子電鉄6.4kmの軌跡-』
(千葉県のローカル鉄道を舞台にした青春ドラマ。主人公は
地元の高校で文化系の部活に所属する女子。そんな女子高生
が地元を走る電車と高校生の駅伝との競争を企画する。とこ
ろが開催日が間近になっても選手が集まらず、一方電鉄会社
の側でもトラブルが発生する。果たして競争は実施できるの
か…? そこに主人公の母親と電車の運転士との交流など、
地元と電車を繋ぐ物語が展開される。地元のライター吉野翠
の原作に基づき、監督は故森田芳光監督の助監督を長年務め
た杉山泰一が長編第2作として手掛けた。出演は、初主演の
松風理咲。その脇を前野朋哉、植田真梨恵、有野晋哉、富田
靖子、井上順らが固めている。公開はイオンシネマ銚子先行
上映の後、5月20日より新宿武蔵野館他で全国順次公開。)
『夜明けを告げるルーのうた』
(2004年の長編デビュー作『マインド・ゲーム』で文化庁メ
ディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した湯浅政明監
督の最新作。同監督の作品ではもう1本公開が控えていて、
実はそちらが先の公開となるので、紹介はその作品と纏めて
次回に行うことにしたい。)
『赤毛のアン』
     “L.M. Montgomery's Anne of Green Gables”
(1908年に発表された少女小説の定番を、原作の舞台である
カナダで映画化した作品。製作総指揮に原作者の孫も名を連
ねている極め付き。主人公は赤毛の少女アン。孤児院育ちの
少女が田舎町で老兄妹が暮らす家に、本来は男の子が希望だ
ったところをやって来る。しかし持ち前の気性で徐々に周囲
に溶け込んで行く姿が描かれる。原作は何度も映像化のある
作品だが、従来の作品が読者向けに作られているのに対して
本作は入門書のよう。次々登場する原作の名場面はまるで挿
絵の羅列のようだが、初めて接するには良い感じと言えそう
だ。出演はオーデションで選ばれたエラ・バレンタインとハ
リウッド俳優のマーティン・シーン。他はカナダの俳優が脇
を固めている。公開は5月6日より、全国ロードショウ。)
『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』“危城”
(前回題名紹介『おじいちゃんはデブゴン』のサモ・ハンが
アクション監督を務める大型歴史劇。背景は1914年。中国が
内戦に明け暮れていた頃のこと。とある村が近隣士族の私設
軍の標的にされる。それは残虐な当主の息子に率いられた皆
殺し部隊だった。しかもその息子が身分不明のまま先に自警
団に捕えられ、私設軍は村の安全を取引条件としてその釈放
を迫ってくる…。出演はエディ・ポン、ルイス・クー、ラウ
・チンワン、ウー・ジン、ユアン・チュワン。監督は2011年
9月紹介『新少林寺』などのベニー・チャン。前作もそうだ
がサモ・ハンの演出は拳法と言うより殺法と呼びたい強烈な

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03月12日(日)
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