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On the Production
by 井口健二
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■おとなの事情、標的の島 風かたか
美術評論家が詐欺まがいの手口で接近する。ところが盲目と
される老画家も強かで…。ピカソ、マティスに、アンディ・
ウォーホル、ダリ、ザ・ビートルズまで登場して、壮大な美
術史の謎が描かれる。原作物だが、映画はロード・ムーヴィ
の要素も絡めて巧みに作られている。特に巻末のアニメーシ
ョンは秀逸だ。公開は4月29日より、YEBISU GARDEN CINEMA
他で全国順次ロードショウ。)
『ザ・スライド・ショーがやって来る』
(2016年10月16日『変態だ』などの原作者みうらじゅんと、
いとうせいこうの共演で、1996年から不定期に開催されてい
るトークショウの20周年を記念した作品。トークショウの内
容はみうら撮影の写真をスライド上映し、それをいとうがコ
メントするというもので、本作の中でもその一部は紹介され
るが、それはそれなりに面白そうなショウのようだ。ただし
本作はそれだけを再現するものではなく、そこに2人の関係
性などがそれぞれへのインタヴューとして挿入される。それ
が一般の観客としては多少煩雑というか、もっとショウその
ものを見せて欲しかった感じもするが…。でも試写会場に来
ていた両人のファンには受けていたようで、そういう作品な
のだろう。公開は2月18日より、全国ロードショウ。)
『退屈な日々にさよならを』
(昨年の東京国際映画祭で上映され、11月には一般向けの限
定上映も行われた作品だが、全国公開が決定して改めて試写
が行われた。作品は今泉力哉監督が映画専門学校「ENBUゼミ
ナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」との提携
で制作したもので、同じ体制では2014年に『サッドティ−』
という作品も作られている。実はその作品も観てはいるが、
この監督の作風は今までどうも僕の肌に合わなかった。しか
し本作は全体的な雰囲気は変わらないが、ちょっと手の込ん
だ展開で面白く見られたものだ。内容的には映画製作の裏側
的なものだが、そこに絡まる死生観みたいなものが巧みに描
かれていた。公開は2月25日より、東京は新宿K's cinema他
で全国順次ロードショウ。)
『イップ・マン 継承』“葉問3”
(2010年11月紹介『イップ・マン/葉問』と、2012年2月紹
介『イップ・マン誕生』に続く作品。実はもう1本『イップ
・マン序章』という作品もあって本作はシリーズ4作目にな
るようだ。主演には『序章』『葉問』のドニー・イェンが再
登場して壮年期のカンフーの達人の姿を描き切っている。物
語の背景は1950年代後半で、第2次大戦の終結で日本の支配
からは脱却したものの、今度はイギリス人の横暴に苦しめら
れるという図式は、シリーズを通してほとんど変わらない。
ただし本作では幼い息子の存在がホームドラマ的な趣を生ん
でいるのも面白かった。共演は前作にも登場のリン・ホン、
2016年11月紹介『ドラゴン×マッハ!』などのマックス・チ
ャン。それにマイク・タイソン。公開は4月22日より、東京
は新宿武蔵野館他で全国順次ロードショウ。)
を観たが、全部は紹介できなかった。申し訳ない。
01月29日(日)
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