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On the Production
by 井口健二
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■ハードコア、君と100回目の恋
会に君臨する会計コンサルタントに扮する捻りの利いたヒー
ロー(?)アクション。そんな主人公が、ある企業の数10年
に亙る不正経理を見破ったことから危機に見舞われる。それ
は財務省やマフィアも巻き込んだ事件となる。共演は2013年
6月紹介『エンド・オブ・ウォッチ』などのアナ・ケンドリ
ックと、2015年8月紹介『Re:LIFE〜リライフ〜』などのJ
・K・シモンズ。アフレックはブルース・ウェインに扮する
『ジャスティス』も控えているが、本作では数字に天才的な
頭脳を発揮する一方で、重火器の扱いにも優れた新たなヒー
ロー像に挑戦している。公開は1月21日より、東京は丸の内
ピカデリー、新宿ピカデリー他で、全国ロードショウ。)
『アシュラ』“아수라”
(不正の蔓延る韓国で、開発の進む地方都市を舞台に、不正
にまみれた市長に関る警察官の姿が描かれる。中央政界から
地方自治体まで、韓国の不正体質は繰り返し映画化されてき
たが、さらに本作では主人公の正義感も曖昧で、それは強烈
な作品になっている。脚本監督は2003年9月紹介『MUSA
-武士-』などのキム・ソンス。出演は『MUSA』にも出て
いたチョン・ウソンと、2009年1月紹介『アンティーク』な
どのチュ・ジフン。さらに2008年8月紹介『ハピネス』など
のファン・ジョンミン、2011年7月紹介『アジョシ』などの
クァク・ドウォンらが脇を固めている。体制べったりの日本
映画では、まずはお目に掛れない作品だ。公開は3月4日よ
り、東京は新宿武蔵野館他で、全国順次ロードショウ。)
『相棒 劇場版W』
(テレビでも高視聴率を続ける水谷豊主演シリーズの劇場版
第4作。物語の背景は数年前に海外で起きた邦人拉致事件。
その因縁が国内での大規模テロ事件となって甦る。自国民の
安全か国際テロとの対決か。弱腰な政府の思惑が揺れ動く中
で、その謎を解くため、仲間由紀恵、及川光博、石坂浩二ら
劇場版ならではのメムバーも参戦する。ゲストは北村一輝、
山口まゆ、鹿賀丈史。脚本と監督は、テレビシリーズも手掛
ける太田愛と橋本一。僕は劇場版を観るのは初めてだが、後
半には大掛かりなモブシーンなども登場して、映画館の大画
面でこそ楽しめる、テレビ画面には収まり切れないスケール
の作品に仕上げられていた。公開は2月11日より、全国ロー
ドショウ。)
『彼らが本気で編むときは』
(ジャニーズ生田斗真が性転換者に扮して、セクシャル・マ
イノリティの問題に迫るドラマ作品。物語の中心は小学生の
少女。母子家庭の母親に生活力がなく、その母親が家を出て
しまい彼女は叔父の家に向かう。ところがその家で妻と紹介
されたのは性転換者だった。脚本と監督は、2006年1月紹介
『かもめ食堂』などの荻上直子。今までの作品では癒し系な
どとも呼ばれる監督が、アメリカ留学時の自らの体験などを
踏まえて新たなジャンルに踏み出した作品だ。共演は桐谷健
太、柿原りんか。その脇をミムラ、小池栄子、りりィ、門脇
麦、田中美佐子らが固めている。題名は主人公らが或る物を
手編みで作ることに由来するが、その件では居住まいを正す
思いがした。公開は2月25日より、全国ロードショウ。)
『スプリング、ハズ、カム』
(広島から上京して東京の大学に通う一人娘。その暮らす場
所を探すために、冬の一日を東京世田谷で過ごす父子の姿を
追ったロードムーヴィ風の作品。それは最初は不動産屋の案
内で、続いては住むことになるアパートの大家と一緒、そし
て最後は何故か異国人と共に。祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン
のバナーなども登場して、東京で暮らしている人間が観ても
ちょっと新鮮な想いのする物語が展開される。そしてそこに
親から子への深い思いが描かれる。出演は、落語家の柳家喬
太郎と2015年『ソロモンの偽証』などの石井杏奈。他に声優
の朴璐美、お笑いトリオ「東京03」の角田晃広らが脇を固め
ている。脚本と監督は2012年『あかぼし』の吉野竜平。公開
は2月18日より、新宿武蔵野館にてモーニングショウ。)

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12月25日(日)
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