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On the Production
by 井口健二
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■バイオハザード:ザ・ファイナル、汚れたミルク あるセールスマンの告発
作品。映画製作の裏話を、脚本家、監督から出演者、さらに
は脚本の印刷所、ロケ地のフィルムコミッションまで登場さ
せて各方向から描いて行く。それぞれの脈絡はないが実に巧
みに物語が進行され、正しく映画愛を感じる作品になってい
る。監督は2011年5月紹介『日輪の遺産』などの佐々部清、
脚本も『日輪』などの青島武。出演者には小市慢太郎、高橋
一生、羽田美智子、大杉漣らが顔を揃えている。因に題名は
「群盲象をなでる」の諺から映画製作の各部を描いたものだ
が、象が片仮名なのは映像に掛けたそうだ。公開は1月14日
より、渋谷シネパトス他で全国順次ロードショウ。)
『沈黙−サイレンス−』“Silence”
(2016年10月に記者会見の模様を報告したマーティン・スコ
セッシ監督の最新作がマスコミに披露された。作品は上映時
間2時間41分に及ぶもので、江戸時代初期を背景に江戸幕府
の切支丹弾圧に屈して棄教したとされる師の跡を追って日本
に密入国した2人の宣教師の苦悩と苦闘が、宗教の真の意味
を問う形で描かれる。それはまあ日本人としては多少心苦し
いところもあるが、現代の世界に対しては日本人の意見の方
が正論と言える部分もあり、これから始まる海外での評価も
気になる所だ。なお出演者などは前記の記事をご覧いただき
たい。それにしても台湾ロケされた背景の自然の美しさと、
特に塚本晋也の熱演が印象に残る作品だ。公開は1月21日よ
り、全国ロードショウ。)
『咲-saki-』
(2006年に連載が開始され、すでにインターネットラジオや
ドラマCD、テレビアニメにもなっている人気漫画の実写映
画版。自分の学生時代は麻雀ブームで、僕はさほど熱心でな
くてもそれなりに試合のルールなどは知っているものだが。
そんな目で観ていてこの作品は実に面白かった。それがちゃ
んとやる人にはどう映るか知らないが。とにかく終盤の有り
得ない展開には笑いが止まらなかった。そんな馬鹿々々しい
けど愉快な作品と言える。出演は浜辺美波、浅川梨奈、廣田
あいか。他に夏菜、佐野ひなこらが脇を固めている。監督は
2010年5月紹介『結び目』などの小沼雄一。因に主人公らの
手つきはプロの雀士の指導による演技だそうだ。公開は2月
3日より、TOHOシネマズ日本橋他で全国ロードショウ。)
『LUPIN THE VRD 血煙の石川五ェ門』
(モンキー・パンチ原作『ルパン3世』を再構築し、ルパン
らの若き日とその出会いを描いたアニメーション作品。監督
は2010年7月紹介『REDLINE』などの小池健で、監督
は2014年に『次元大介の墓標』という作品も発表している。
物語の開幕は伊豆沖を進むカジノ船。そこから大金を盗み出
したルパン、次元、不二子だったが、直後に船が爆発。その
あおりで暴力団の組長が死亡し、用心棒だった石川は爆発を
図った殺し屋との対決に挑む。しかしその殺し屋は2丁の斧
を操る最強の敵だった。声優は栗田貫一、小林清志、浪川大
輔、沢城みゆき、山寺宏一。上映時間54分だが、何しろアク
ションの連続する作品だ。公開は2月4日より、新宿バルト
9他で4週間限定ロードショウ。)
『NEON DEMON』“The Neon Demon”
(2011年11月紹介『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング
・レフン監督が、2016年4月紹介『トランボ』などのエル・
ファニングを主演に迎えた最新作。本作は今年の東京国際映
画祭でも招待上映された。主人公は田舎町からロサンゼルス
に出てきたばかりの16歳の少女。ファッションモデルに憧れ
る彼女は天賦の美貌で階段をとんとん拍子に昇って行くが、
そこは正に魔窟とも呼べる世界だった。ファニングが次々に
華麗なファッションに身を包むのも見所だが、後半はかなり
異様な雰囲気になって、俊英監督の描く世界観も楽しめる。
共演は、2008年5月紹介『イントゥ・ザ・ワイルド』などの
ジェナ・マローン。他にキアヌ・リーヴスらが脇を固めてい
る。公開は1月13日より、全国ロードショウ。)
『新宿スワンU』
(綾野剛の主演、園子温監督による2015年作品の続編。実は
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12月18日(日)
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