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On the Production
by 井口健二
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■ドラゴン×マッハ!、ロスト・レジェンド 失われた棺の謎、人魚姫
過激なアクションに彩られた危険な作品でもある。監督は新
時代のサム・ペキンパーと称されるジェレミー・ソニエル。
その伝では『わらの犬』も想起するが、そのスタイリッシュ
さには物足りないかな? しかし今はこの過激さの方が受け
るのだろう。公開は2月11日より、新宿シネマカリテ他にて
全国順次ロードショウ。)
『人生フルーツ』
(日本住宅公団の創設に参加し、各地に建設された団地の基
本設計を担当するも、理想と現実の狭間で苦しんだ建築家の
姿を追った東海テレビ製作のドキュメンタリー。建築家は自
らが最後に手掛け、理想とはかけ離れた形で完成した団地の
一角に土地を購入し、そこだけは理想に近づけた暮らしを実
践して晩年を迎えた。日本の高度成長の歪みを目の当たりに
するような作品だ。ただし観客がそれをどこまで読み取れる
か。彼の理想が叶わなかった理由をもっと明白にして欲しか
った。公開は1月2日より、ポレポレ東中野他にて全国順次
ロードショウ。)
『アラビアの女王』“Queen of the Desert”
(イラク、ヨルダンの建国の親とも言われるイギリス人女性
の実話をニコール・キッドマンの主演、2012年1月紹介『忘
れられた夢の記憶』などのヴェルナー・ヘルツォーク監督で
映画化した作品。T・E・(アラビアの)ロレンスなども登
場し、列強の思惑が渦巻く中で現実の国境を定めたとも言わ
れる女性の姿が描かれる。なお劇中の記念写真のシーンで、
背景のスフィンクスに顔面の彫刻があるのが歴史的に正しい
もの。これにはさすがヘルツォーク監督と感心した。公開は
1月21日より、丸の内TOEI、新宿シネマカリテ他にて、
全国順次ロードショウ。)
『エゴン・シーレ 死と乙女』
           “Egon Schiele: Tod und Mädchen”
(第1次大戦末期のウィーンで活躍し、28歳で夭逝した画家
の姿を描いたR−15指定の作品。劇中には彼が師事した画家
クリムトなども登場し、絵画ファンには注目される作品だろ
う。それに加えて本作では、当時の状況に合わせた蝋燭1本
の灯だけでの撮影なども行われ、その再現力にも注目した。
ディジタル撮影技術の賜物と思われるが、1976年公開『バリ
ー・リンドン』の撮影でスタンリー・クーブリックが苦労し
たのも、今は夢のようだ。公開は1月28日より、Bunkamura
ル・シネマ、ヒューマントラスト・シネマ有楽町他にて、全
国ロードショウ。)
『14の夜』
(1990年代の中学生を主人公にしたノスタルジーたっぷりな
作品。そして主人公らは行きつけのレンタルビデオ屋でアダ
ルト作品の入手に奔走する。舞台になるビデオ屋にはVHS
テープがずらりと並び、それはかなり壮観だった。因にエン
ディングロールによると某氏のコレクションが提供されてい
たようだ。ただそこまでやっておきながら、その直後に登場
する自転車の前照灯がLEDというのはちょっと…。それと
障害者に対する差別的な言動は、時代背景に沿ったものとは
言え少し気になった。公開は12月24日より、東京はテアトル
新宿他にて、全国順次ロードショウ。)
『ダーティ・グランパ』“Dirty Grandpa”
(ロバート・デニーロとザック・エフロン共演による現在の
状況でのジェネレーションギャップを描いたコメディ作品。
監督は2007年4月紹介『ボラット 栄光ナル国家カザフスタ
ンのためのアメリカ文化学習』や、2016年9月11日に題名紹
介『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ
期』などの脚本を担当したダン・メイヤー。この2作品から
想像できる通りのかなりぶっ飛んだ感じのコメディで、特に
ザック・エフロンはここまでやっちゃって良いのかと心配に
なるほどだった。公開は1月6日より、東京はTOHOシネマズ
みゆき座他にて、全国ロードショウ。)
『SUPER FOLK SONG』
(副題に「ピアノが愛した女」とあり、矢野顕子が1992年に
発表した表題作の録音の模様を記録したドキュメンタリー。
最初にカメラの音が入っているのではないかという疑いから

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11月20日(日)
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