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On the Production
by 井口健二
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■ひそひそ星、探偵ミタライの事件簿−星籠の海−、スクール・オブ・ナーシング、ズートピア
が、東京は3月19日より池袋シネマロサ他で、全国順次ロー
ドショウとなる。
なお先行上映のアンケートでは、多くの子供たちから「将来
看護師になりたい」という回答が寄せられたそうで、それこ
そが本作の狙いとするところ。できるだけ多くの子供たちに
観て貰いたい作品だ。
『ズートピア』“Zootopia”
3月12日封切りの『アーロと少年』に続いて日本公開される
ディズニー・アニメーションの最新作。
物語の背景は、肉食獣と草食獣が仲良く暮らしている動物た
ちの理想郷ズートピア。そして主人公は、その世界で最高の
警察官を目指すウサギのジュディ。とは言うもののウサギの
生業はニンジン栽培の農業で、そこから警察官になるなんて
夢のまた夢だった。
しかしジュディは大型動物に混ざって警察学校を優秀な成績
で卒業、遂に夢を実現する。しかもライオン市長の計らいで
首都の警察署に勤務することに。ところが勇んでやってきた
警察署は大型動物が幅を利かせ、ジュディに与えられた仕事
は駐車違反の切符切りだった。
それでもめげずに職務を続けるジュディ。その頃ズートピア
では肉食獣ばかりの行方不明事件が相次いでおり、その中で
カワウソ一家の父親が行方不明になっていた。しかし警察の
手が回らないと見るや、ジュディはその捜査を進言して遂に
捜査活動に従事することになるのだが…。
それはズートピアを根底から揺るがす事件の始まりだった。
監督は、2011年1月紹介『塔の上のラプンツェル』のバイロ
ン・ハワードと、2013年2月紹介『シュガー・ラッシュ』の
リッチ・モーア。この2人を含む8人の原案から『シュガー
・ラッシュ』のフィル・ジョンストンと、2014年『ベイマッ
クス』などのジャレッド・ブッシュが脚本を手掛けている。
実は『アーロと少年』に関しては、恐竜と人類が共存してい
るという設定が納得できず、紹介を止めていた。しかし本作
を観ると、人類が登場しなかった地球を描いているようで、
これはもしかすると人類が恐竜と共に滅んだ世界なのかもし
れないと、2作品の繋がりを考えてしまった。
もちろん本作の物語は現代社会のメタファーと読めるし、差
別や格差などなどが比喩されたものだが、もし地球に人類が
いなかったら、動物たちはこんな風に進化して文明を築き、
平和な地球が誕生していたのかもしれない。そんなことも考
えてしまう作品だった。
そして本作が描き出す大小様々な動物たちが平等に暮らすた
めの社会の構造。それは極めて誇張された人間世界でもある
訳だが、それらが巧みに考えられていた。その一方で目の前
に展開される見事なズートピアの景観。これらが観ていて感
心してしまうような世界に描かれていた。
正しくファンタスティックと呼べる作品だ。因に『アーロと
少年』はピクサーの製作、本作はディズニーアニメーション
の製作となっている。
公開は4月23日より、全国一斉ロードショウとなる。
この週は他に
『ルーム』“Room”
『テラフォーマーズ』
『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』
『更年奇的な彼女』“我的早更女友”
『マクベス』“Macbeth”
『孤独のススメ』“Matterhorn”
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
03月06日(日)
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