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On the Production
by 井口健二
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■ドロメ、見えない目撃者、ヒメアノ〜ル、シェーン
の男は拳銃使いのようだが、男はその拳銃を隠して一家と共
に生活を始める。
その一家はようやく辿り着いた土地で、他の開拓者たちと共
に平和に暮らしていこうとしていたが、牧場主の横暴は留ま
るところを知らず、その嫌がらせに耐えかねて土地を離れる
者も出始める。
そして遂に挑発に乗った開拓者の1人が返り撃ちで殺され、
一家の主は牧場主との妥協も考え始める。しかしシェーンに
その考えは無かった。一方、牧場主も新たに凄腕の拳銃使い
を雇い入れていた。
出演は、アラン・ラッド、ジーン・アーサー、ヴァン・ヘフ
リンと、本作で共にオスカー助演賞候補になったウォルター
・ジャック・パランスとブランドン・デ・ワイルド。製作と
監督は、1956年『ジャイアンツ』、1965年『偉大な生涯の物
語』などのジョージ・スティーヴンスが担当した。
作品は子供の頃に多分テレビで観ているが、元々ガンファイ
トの描写などが抑えられたドラマティックな作品と言う印象
だった。その印象は今回見直しても変わらなかったが、それ
以上に銃器の使用をことさら抑える展開だった。
それは論議にもなっていた主人公の行く末に関しても、見直
すと正にその場所がラストシーンだったもので、これが主人
公個人のことではなく、主人公が象徴するものに対してであ
ることも明確に理解できたものだ。
この映画が製作された当時のアメリカ国民の気持ちが、この
象徴的なラストシーンを描かせたのだとも思うが、今も日々
彼の国から届くニュースでは、未だにそれが達成されていな
いという現実にも哀しくなる思いだった。
その一方で、悪の象徴でもあった牧場主の立場に関しては、
その後に知った開拓当時の状況などを鑑みると牧場主の主張
にも多少の道理はあったもので、その辺のことが台詞として
ちゃんと描かれていることも確認できた。
それらの歴史の重みも感じることのできる作品だった。
公開は4月9日より、東京は丸の内TOEI2ほかで、全国順次
ロードショウとなる。
この週は他に
『ヒーローマニア−生活−』
『無伴奏』
『山河ノスタルジア』“山河故人”
を観たが全部は紹介できなかった。申し訳ない。
02月21日(日)
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