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On the Production
by 井口健二
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■マイヤーリング、ネオ・ウルトラQ、楊家将〜烈士七兄弟の伝説〜、愛しのフリーダ、ブランカニエベス
出される。それは見ものだった。
しかし映画は後半になると、正に肉弾戦のチャンバラの連続
で、それは俳優が演じているという意味では正しく見せ場の
連続となるものだ。だがそれは前半から中盤に掛けての迫力
あるシーンに比べると多少弱い感じはしたもので、この辺の
構成にはひと工夫欲しい感じはした。
それと最後のシーンには女性たちが並んで欲しかった気もし
たが、映画会社が別だとそれは無理だったようだ。
公開は12月14日から東京はシネマート六本木の他、全国順次
で行われる。
『愛しのフリーダ』“Good Ol' Freda”
20世紀最大のアーチストと言えるザ・ビートルズが、1962年
「ラヴ・ミー・ドゥ」で最初のヒットを飛ばす前年の1961年
から、1970年に事実上の解散となった後の1972年まで、彼ら
秘書としてその全てを目撃した女性のドキュメンタリー。
1961年、17歳でタイピストとしてリヴァプールの会社に勤務
していたフリーダ・ケリーは、昼休みに同僚に誘われてキャ
ヴァーン・クラブを訪れる。そこでは革ジャン姿の4人組ザ
・ビートルズが演奏していた。
その音楽に感動したフリーダはその後も足繁くクラブに通う
ようになり、いつも同じ場所から舞台を見詰める彼女の姿は
メムバーにも憶えられて、徐々に彼らと親しくなって行く。
そして友人が始めたファンクラブの運営も任される。
そんなある日、彼女はバンドのマネージャーだったブライア
ン・エプスタインから「会社を興すので秘書にならないか」
と声を掛けられる。その誘いに大好きなバンドと共に働ける
だけで夢心地のフリーダだったが…。
こうしてザ・ビートルズの秘書となったフリーダは、彼らが
世界一有名なバンドになって行く姿を陰で見続けると共に、
彼らの家族とも親交を深め、その後に起きた数々の出来事の
中を彼らと共に過ごして行くことになる。
そんなフリーダ・ケリーの10年が、彼女自身や周囲の人々の
証言で綴られる。それは正に夢のような時代の再現であり、
輝ける時代の感動が直に体験した人の口から伝えられるもの
だ。そしてそれが実に優しい口調で心を込めて語られる。
正直に言って、観終えた時に言葉がなかった。もちろん素晴
らしい作品に感動したものだが、それを言葉で表現する術が
見つからなかった。でも何とも心に響く作品で、これはでき
るだけ多くの人に観て貰いたいとも思った。
では何が素晴らしいかというと、それは根底にある優しさと
信頼だろう。実際にフリーダ・ケリーは、この作品の前に何
度も証言を求められたが、今までは頑として取材には応じな
かったそうだ。
しかしそんな彼女が初孫の誕生を機に、自らの人生を語り残
そうと考えた。そんな切っ掛けも素敵だが、本作では正に孫
に語るように自らの過ごした素晴らしい日々が美しい思い出
として語られる。そんな優しさが素晴らしい作品だ。
特に新たな事実が明らかにされているものではない。でも当
時を語る日々のエピソードは正に時代そのものであり、それ
こそが自分も生きた本物の時代だと、懐かしくも感じられる
作品だった。
公開は、12月7日から東京は角川シネマ有楽町とヒューマン
トラストシネマ渋谷にてロードショウされる。
『ブランカニエベス』“Blancanieves”
スペインのアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞で、今年18部門に
ノミネートされ、最多の10部門を制覇した話題作。
主人公は天才的な闘牛士を父親に持つ少女。しかしその父は
闘牛場で瀕死の重傷を負い、そのショックで早産した母親は
彼女を残して死去してしまう。さらに全身麻痺となった父親
は看護の女性と再婚するが、それは邪悪な継母だった。
それでも祖母の許で健やかに成長した主人公だったが、やが
て祖母の死で父と継母の許に戻される。しかし父親に会うこ
とは許されない彼女だったが、偶然が2人を引き合わせる。
そしてそれまでを埋め合わせるような愛情を注がれるが…。
その父を継母が殺害し、その事実を知る主人公は最大の危機
に陥れられる。
題名はスペイン語で「白雪姫」のことだそうで、作品では上
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11月03日(日)
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