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On the Production
by 井口健二
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■寫眞館/陽なたのアオシグレ、ゼロ・グラビティ、大英博物館 ポンペイ展、オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ、楽隊のうさぎ
が見つかるまで遺跡は未来の研究者に残されるとのこと。
しかしすでに発掘された遺品の数々の研究も終ってはいない
のだそうで、今回は現時点での最新の研究成果が紹介されて
いるものだ。
なお日本公開は、横浜、川崎、金沢、兵庫、福岡などのシネ
コンで10月19日から、東京は11月2日から東京都写真美術館
ホールで上映される。
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
“Only Lovers Left Alive”
2004年12月紹介『コーヒー&シガレッツ』、2009年8月紹介
『リミッツ・オブ・コントロール』などのアメリカン・イン
ディペンデントの雄ジム・ジャームッシュ監督による今年の
カンヌ国際映画祭でプレミア上映された最新作。
物語は、男女がそれぞれのベッドで同じレコード盤を聞いて
いるところから始まる。
男の名前はアダム。彼はデトロイトに隠れ住み、夜だけ活動
する伝説のロックミュージシャンとして匿名で楽曲を発表。
そして必要なものは守秘契約を結んだイアンという男性に運
ばせ、イアンは時折名品のギターなども持ってくる。そして
アダムは正体を隠して医師から血液を買い付けている。
一方、女の名前はイヴ。彼女はモロッコのタンジールで長年
の友人を通じて最高の血液を手に入れていた。そうその2人
は、現代に生き残る吸血鬼だったのだ。そしてイヴがアダム
に電話を掛け、夜間飛行の空路を乗り継いで、アダムの許を
訪れることから話が動き始める。
久し振りの再会を楽しみ、夜のドライヴでデトロイトの名所
などを訪れる2人だったが、そんな2人の間に闖入者が現れ
る。それはイヴの妹のエヴァ。普段はロサンゼルスに暮らす
エヴァは若い姿で遊び歩き、以前にパリで起こした事件によ
ってアダムの怒りを買っていたようだ。
しかし、こちらも久し振りの再会で3人は仲良くライヴハウ
スなどを訪れるのだが、その深夜にエヴァが再び事件を起こ
してしまう。こうしてデトロイトを離れることになったアダ
ムとイヴはタンジールに向かうが、そこにはさらに厳しい現
実が待っていた。
出演は、2011年6月紹介『マイティー・ソー』で悪役ロキを
演じたトム・ヒデルストンと、昨年3月紹介『少年は残酷な
弓を射る』などのティルダ・スウィントン。
他に、昨年12月紹介『アルバート氏の人生』などのミア・ワ
シコウスカ、2月紹介『裏切りのサーカス』などのジョン・
ハート、今年6月紹介『スター・トレック イントゥ・ダー
クネス』などのアントン・イェルチンらが脇を固めている。
それにしてもオーソドックスというか、クラシカルな感じの
吸血鬼映画で、カンヌの記者会見で監督は、吸血鬼を題材に
したことについて「金が儲かると言われたから」とブームに
乗ったような話をしたそうだが、脚本は7年以上も前に書き
上げて、時期の到来を待っていたようだ。
そして作品には、クリストファー・マーロウからドクター・
ファウスト、カリガリ、ストレンジラヴ、さらにアメリカの
音楽シーンまで様々な要素がオマージュのように散りばめら
れ、正しく大人が楽しめる吸血鬼映画に仕上げられていた。
公開は12月。TOHOシネマズシャンテ、ヒューマントラス
トシネマ渋谷、新宿武蔵野館、大阪ステーションシネマ他、
全国ロードショウされる。
『楽隊のうさぎ』
中沢けいが2000年に発表し、2010年センター試験の問題にも
取り上げられた原作小説の映画化。
主人公は、学校からは出来るだけ早く帰りたいと考えている
内向的な中学校の新入生男子。ところがその学校では部活動
が義務付けられており、幼馴染の同級生からはサッカー部に
誘われるが、あまり乗り気ではない。
そんな時、昼休みに校庭から演奏が聞こえてくる。それは吹
奏楽部の入部勧誘だった。そして主人公が1人の時、突然目
の前に人間サイズの着物を着たウサギが現れ、彼を音楽室へ
と誘う。
そしてその音楽室で上級生の女子がティンパニを演奏する姿
を見た主人公は、彼女に誘われるまま吹奏楽部に入部する。
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10月13日(日)
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