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On the Production
by 井口健二
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■僕が星になるまえに、武器人間、ウォーキング・デッド:シーズン3、ハンナ・アーレント、燦燦
が、そこに本シリーズでは日本刀が登場。その切れ味鮮やか
な武器がゾンビの首をはねたり、頭部を一刀両断にするシー
ンは、正しくCGI-VFXの極致とも言える映像になっていた。
出演は、シーズン1からレギュラーのアンドリュー・リンカ
ーン、チャンドラー・リッグス、サラ・ウェイン・コーリー
ズ、スティーヴン・ユン、ノーマン・リーダス、メリッサ・
マクブライド。
またシーズン2からのローレン・コーハン、スコット・ウィ
ルスン。そしてシーズン3では、アメリカ生まれだが両親の
母国ジンバブエで成長したというダナイ・グリアが見事な女
剣士ぶりを見せる他、2008年6月紹介『ブーリン家の姉妹』
などのデイヴィッド・モリッシーらが脇を固めている。
なおアメリカでは、10月13日からシーズン4がスタートして
いる。

『ハンナ・アーレント』“Hannah Arendt”
昨年10月28日付「第25回東京国際映画祭」で紹介したコン
ペティション部門作品が日本公開されることになり、改めて
試写を観させて貰った。
背景は1962年にエルサレムで行われたアイヒマン裁判。主人
公はその裁判を傍聴し、後にその記事をアメリカの雑誌に連
載したユダヤ人の女性哲学者ハンナ・アーレント。戦時中に
強制収容所を脱出し、アメリカに亡命した彼女は、誰が見て
もその執筆者に相応しかった。
ところが彼女が執筆した記事はユダヤ人社会から思わぬ反感
を買うことになる。それは彼女が「アイヒマンは凡庸で、そ
の所業は命令に従っただけ」と論じ、さらにユダヤ人の指導
者たちがアイヒマンに協力していたと暴露したためだ。
これらの論調にユダヤ人社会が反発し、彼女は誹謗中傷の嵐
の中に投げ込まれることになる。そんな彼女は、夫や親友の
女流作家メアリー・マッカーシーに支えられ、ついに教鞭を
執っていた大学の教壇で反論を開始するが…
この物語に、後にナチスに入党する恩師との若き日の恋愛問
題や、ドイツ・シオニスト連盟書記長との交流と対立などを
絡めて、アーレントが構築して行く理論と彼女の人生が描か
れる。
脚本と監督は、1981年の『鉛の時代』でヴェネチア国際映画
祭金獅子賞、1986年の『ローザ・ルクセンブルグ』ではカン
ヌ国際映画祭の受賞も果たしているマルガレーテ・フォン・
トロッタ。
因に、監督が描いた『鉛の時代』の主人公はドイツ赤軍創設
メムバーの1人をモデルにし、『ローザ・ルクセンブルグ』
はドイツ共産党の創設者で、いずれも歴史に名を残す重要な
女性たちを描いているそうだ。
主演は、『鉛の時代』『ローザ・ルクセンブルグ』にも主演
したバルバラ・スコヴァ。共演は、昨年12月紹介『アルバー
ト氏の人生』などのジャネット・マクティア、2005年5月紹
介『ヒトラー〜最後の12日間〜』などのウルリッヒ・ノエ
テン。
正直に書くと、昨年の映画祭で本作を鑑賞した時には作品の
意図がよく理解できていなかった。それは映画祭の期間中は
毎日4、5本ずつ観ることになるし、その内容を咀嚼してい
る時間もない。しかも本作はユダヤ人問題が背景で僕自身の
理解も充分ではなかった。
しかし今回は一応内容を把握した上で作品を鑑賞することに
なり、特にアーレントが本当に言いたかったことは理解でき
た感じがした。それは「ナチスに学ぼう」と公言して憚らな
い政治家のいるような国では、特に心して観るべき作品のよ
うにも感じられた。
公開は10月26日から、東京は岩波ホールでロードショウされ
る。

『燦燦』
老老介護の問題を描いた2010年制作の短編『此の岸のこと』
が、2011年のモナコ国際映画祭で短編部門最優秀作品賞など
5冠に輝いた外山文治監督による長編デビュー作。
主人公は77歳の女性。長年連れ添った夫が闘病と介護の末に
先立ち、残された彼女は幼馴染で夫の親友だった病院長が主
催する老人会にも参加するが、如何にも老人のリクリエーシ
ョンの場には馴染めないものを感じる。
そんな彼女が街でふと目に留めたのは、結婚相談所のウィン

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09月29日(日)
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