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On the Production
by 井口健二
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■パーシー・ジャクソン/魔の海、REDリターンズ、りんごのうかの少女、死霊館、Tightrope−アウトサイダーという生き方−、落秋
2004年9月紹介『ソウ』の第1作を手掛け、2011年6月紹介
『インシディアス』なども発表しているジェイムズ・ワン監
督が今年春に公開した作品。因に監督は、今秋“Insidious:
Chapter 2”も公開している。
物語に登場するのはエドとロレインのウォーレン夫妻。夫は
バチカンが唯一公認した悪魔研究家で、妻は透視能力を持つ
とされている。そんな夫妻は撮影や録音など科学技術も駆使
して、悪魔が介在するとされる事件を解決している。
その夫妻の許に1971年、1つの事件が持ち込まれる。それは
ロードアイランド州ハリスヴィル郊外の一軒家に住むペロン
一家が心霊現象に襲われているというもの。そして調査が進
むとそこには悪魔の介在が明らかになり、正式のエクソシス
トを呼ぶための証拠集めが開始されるが…。
その調査に対して悪魔の反撃が始まる。
出演は『インシディアス』とその続編にも主演のパトリック
・ウィルスンと、昨年8月紹介『デンジャラス・ラン』など
のヴェラ・ファーミガ。さらに2009年9月紹介『きみがぼく
を見つけた日』などのロン・リヴィングストン、2003年5月
紹介『カーサ・エスペランサ』などのリリ・テイラー。実力
派の4人が見事な演技を繰り広げている。
因に本作の登場するエド&ロレイン・ウォーレン夫妻は、実
は1979年『悪魔の棲む家』でアミティヴィルを訪れる心霊研
究家(映画では別名)であり、その他にも1991年に製作され
たTVM“The Haunted”にも登場する実在の人物。従って本作
も実話に基づくとされているもので、夫妻が遭遇した最も恐
ろしい事件なのだそうだ。
そしてその恐ろしさ故に公表もはばかられていたというもの
だが、その真偽は別として映画の展開ではエドの行為が明ら
かに問題とされるもので、そのために公表できなかったとい
うのはそれなりに筋が通る話にもなっている。その辺は脚本
家たちも巧みなところだ。
脚本は、2009年9月紹介『ホワイトアウト』などのチャド&
ケイリー・W・ヘイズという双子の兄弟。彼らは2007年4月
紹介『リーピング』や2005年7月紹介『蝋人形の館』も手掛
けており、ホラー作品はお手の物という感じだ。
ワン監督の演出は外連もたっぷりで存分に怖がらせてくれる
し、ウォーレン夫妻が映画の中で行うアプローチの仕方はそ
れなりに科学的で納得ができる。その辺では充分に満足感も
得られる作品だった。
なおワン監督は、現在は来年7月全米公開予定の人気シリー
ズ『ワイルド・スピード』の第7弾“Fast & Furious 7”を
撮影中だそうだ。

『Tightrope−アウトサイダーという生き方−』
元プロレスラーの前田日明が2005年に立ち上げた素人格闘家
による全日本選手権「THE OUTSIDER」に出場する選手たちを
追ったドキュメンタリー。
素人格闘家というのは、自分は喧嘩が1番強いと粋がってい
るチンピラのこと。そんな連中を全国から集めて「日本一喧
嘩の強い奴を決める」というのがこの大会の主旨と言える。
つまりこの作品は僕があまり好みとしないチンピラを描いた
もので、その点では多少躊躇しながら試写を観に行った。
それで観ての感想は、想いの外によく出来た作品だった。
もちろん登場するのは体中に入れ墨を彫っているような連中
だが、それが出場して最初の内は優勝したりも出来ていたの
が、途中から正しく格闘家として鍛錬を積んだ連中が参入し
始め、それで勝てなくなってしまう。
そこで挫折を体験した彼らは、今度は自ら道場に通い鍛錬を
積んでリヴェンジに臨む。それはもはやアスリートの心情で
あり、本作にはそんな目覚めた男たちの姿が見事に映し出さ
れていた。
もちろんこんな風に立ち直る連中はひと握りなのかもしれな
いし、大半は元のチンピラに戻ってしまったのかもしれない
が、そんなひと握りでも更生の道を歩めたのなら、この選手
権の存在意義はあったと言える。
と言っても、作品はそんな末節のことにはこだわらず、正に
勝つために努力を重ねて王座を奪還しようとする男たちの姿

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09月15日(日)
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