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On the Production
by 井口健二
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■ゲキ×シネ:シレンとラギ、アルカナ、サカサマのパテマ、サプライズ
で中核となる“Tape56”のセグメントを担当していたアダム
・ウィンガード監督、サイモン・バレット脚本による作品。
両親の結婚35周年を祝うために集まった10人の家族。しかし
集まった兄弟たちの関係はあまり芳しくないようだ。そこに
アニマルマスクを被った集団が侵入し、惨劇が繰り広げられ
る。ところが参集者の中の1人の女性が反撃を開始したこと
から事態は思わぬ方向に…。
巻頭に隣家の住人の襲われる描写があって、2008年9月紹介
『ファニー・ゲームU.S.A.』に触発された作品かと思ってい
たら、そこからの展開が正しく「サプライズ」だった。特に
結末に持って行く流れは何ともはや…。これならアメリカで
喝采を浴びたというのも頷ける。
因に上記の『V/H/Sシンドローム』は、試写は見せて貰った
ものの僕的には評価が芳しくなくて、ここでの紹介は割愛し
た。でもその中で“Tape56”はそれなりだったかな。ただし
あくまでも狂言回し的な部分なので、これでの評価は出来な
かったものだ。
そんな監督と脚本家の作品だが、実は米国のデータベースに
よると本作の製作は2011年、つまり『V/H/Sシンドローム』
より前の作品で、オムニバスは本作の評判から繋がって作ら
れた作品だったようだ。ただし本作の一般公開はアメリカも
今夏でフィルム上の著作権の表記は2013年になっていた。
出演は、2003年3月紹介『ブルークラッシュ』を基に2011年
に公開された“Blue Crush 2”に出ていたというシャーニ・
ヴィンスン。他に『V/H/Sシンドローム』には監督として参
加のタイ・ウェストらが脇を固めている。
登場する一家の主が軍需産業に関る大金持ちだったり、侵入
者に対して反撃に出るのが闘うヒロインだったり、観客の喝
采を浴びるのには格好の題材が揃えられている。そして結末
のつけ方、これも間違いなく観客には好評だろう。そんなも
のが巧みに組み合わされている作品だ。
因に米国のデータベースでのジャンル分けはコメディ/ホラ
ー/スリラーで、コメディが先頭になっている。ただし演出
はホラーの感覚で、それは見事に描かれていた。
なお本作は、2011年のオースティン・ファンタスティック・
フェストで最優秀監督賞、最優秀作品賞、最優秀ホラー映画
女優賞(シャーニ・ヴィンスン)、最優秀脚本賞を受賞、他
に観客賞の第2位に輝いている。また、同年のトロント国際
映画祭でも観客賞の第2位を獲得したようだ。

(あと数本を後日追加します)

08月30日(金)
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