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On the Production
by 井口健二
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■奪命金、ホビット、王になった男、キャビン、ブレイキング・ドーン、クラウド・アトラス、レ・ミゼラブル、ライフ・オブ・パイ
ったが、伏線というかヒントはやたらとバラ撒かれていて、
この手のジャンル映画好きにはある種の期待通りの作品。そ
の点での期待は裏切られないし、むしろそれをやり切ってい
ることに満足感すら覚える作品だった。
それにしても、この展開にはニヤリとするものばかりだし、
特に後半のハジケ振りは、好き者には夢の実現と言って良い
くらいのものだ。ただ、結末はこれとは逆もありかなとも思
えたが、それでは一般受けが厳しくなってしまうかな。多分
その辺も検討されてのこの結末なのだろう。
実際に観るまではここまでやっているとは思っていなかった
し、内容的におちゃらけたところもないので、これは大いに
満足できた。同種の日本映画と比べた時に、彼我の差も感じ
させる作品と言える。
出演は、2009年3月紹介『お買いもの中毒な私!』などのク
リスティン・コノリー、昨年5月紹介『マイティー・ソー』
などのクリス・へムスワース。他にニュージーランド出身の
アンナ・ハッチスン、2004年8月紹介『ヴィレッジ』などの
フラン・クランツ、テレビの『グレイズ・アナトミー』にレ
ギュラー出演中のジェシー・ウィリアムズ。
さらに昨年5月紹介『モールス』などのリチャード・ジェン
キンス、テレビ『ザ・ホワイトハウス』などのブラッドリー
・ウィットフォードらが脇を固めている。そしてもう1人、
流石にこれは僕も予想できなかった意外な俳優も出演してい
る。これは「あんたも好きねえ」という感じだった。
宣伝はスプラッターホラーめかして、実際にそのようなシー
ンもある作品だが、内容的にはSF映画ファンも満足できる
作品だ。

『トワイライトサーガ/ブレイキング・ドーン Part 2』
“The Twilight Saga: Breaking Dawn - Part 2”
2009年1月に第1作を紹介したシリーズがついに完結編を迎
えた。
賛否両論のある作品だし、僕自身も諸手を挙げて賛成という
ものではないが、アメリカでは記録的なヒットになっている
ようで、ファンというのは本当にありがたいものだ。
それはさて置き本作は、原作では4部作だったものが、映画
は5作目。原作の第4話が映画では前後編に分けられたもの
だ。その前編は昨年12月に紹介したが、正直に言ってファン
でない自分にはちょっときつい感じもした。しかし後編は、
流石にシリーズの完結編という感じに仕上げられている。
これはこの2作を1本とした場合には、トーンの違いが全体
のバランスを崩す恐れもあったし、これを2部作としたのに
は、それなりに意味もあったとも言える感じがした。
そのお話は、前編で誕生した子供を巡っての展開。その存在
がヴァンパイア全体の危機を招くと判断する一派と、主人公
たちとの戦いが描かれる。そして主人公たちは、その存在が
危機に繋がらない証拠を見出さなければならなくなる。
ただその証拠を見つけ出す件が、これは原作も同じかもしれ
ないが、僕にはちょっと安易に感じられ、この辺をもう少し
描き込んで欲しかった感じもした。それと肝心のクライマッ
クスが、結局これも少しどうかなあという展開で、その点で
も多少物足りなかった。
とは言えこれらはいずれも原作の通りなのだろうし、それは
原作のファンが観る以上は、変えることは許されないもので
あったとは思えるところだ。
出演は、クリステン・スチュワート、ロバート・パティンス
ン、テイラー・ロートナー。他には『96時間』のマギー・
グレイスから、今年日本公開された『キリング・ショット』
などのニッキー・リード、それにダコタ・ファニングまで若
手が勢揃いの感じだ。
さらに2009年1月紹介『フロスト×ニクソン』などのマイク
ル・シーン、昨年4月紹介『赤ずきん』などのビリー・バー
クらが脇を固めている。
監督は、『Part 1』に引き続いて2003年2月紹介『シカゴ』
などのビル・コンドン。脚本は、シリーズ全作を通してメリ
ッサ・ローゼンバーグが担当した。

『クラウド・アトラス』“Cloud Atlas”
『マトリックス』のラナ&アンディ・ウォッシャウスキー姉

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12月09日(日)
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