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On the Production
by 井口健二
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■GHOST RIDER 2、人生ブラボー!、ハードウェア・ウォーズ、名無しの十字架、ひまわり、牙狼2、アルマジロ、よりよき人生+Oscar/VFX
他に今年8月紹介『のぼうの城』などの和田聰宏、今年2月
にAKB48を脱退した米沢瑠美。米沢は本作で映画女優として
再デビューだそうだ。さらに前田健、みのすけらが脇を固め
ている。
監督は、2001年『けものがれ、俺らの猿と』などの脚本を手
掛け、2004年『あゝ!一軒家プロレス』という作品を発表し
ている久保直樹。前作の題名からは格闘技ファンの監督と思
われるが、本作はそこから一歩踏み出したと言えそうだ。
なお作品は郷一郎の原作に基づくもので、本作の出演者でも
ある小林が原作に惚れ込んで映画化を企画。ただし原作では
キックボクサーが主人公だったが、原作者の好きにして良い
との言葉を受けて大幅に改作したようだ。
その脚本は、今年1月公開『犬の首輪とコロッケと』などの
稲本達郎と、2009年テレビドラマ『メイド刑事』などの松田
知子が担当している。

『ひまわり〜沖縄は忘れないあの日の空を〜』
1959年6月30日に沖縄の石川市(現うるま市)で起きた米軍
ジェット機墜落事件と、2004年8月13日の沖縄国際大学での
米軍ヘリコプター墜落事件。その2つの米軍の軍事行動に関
る事件を描いたドラマ作品。
物語は、その2つの事件に遭遇した1人の男性と、その孫を
中心に展開される。その男性は石川市宮森小学校に墜落した
ジェット機で友を失い、沖縄国際大学へのヘリコプター墜落
の目撃者となる。
また孫は、祖父と共にヘリコプター墜落の目撃者となるが、
その記憶は薄れて現在は同大学の生徒となっている。そして
その大学のゼミで2つの事件のレポートを纏める形で事件が
検証されて行くものだ。
出演は、長塚京三と『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズなどの
須賀健太。他に2013年前期のNHK朝のテレビ小説に主演が
決まっている能年玲奈、2009年8月紹介『ヤッターマン』な
どの福田沙紀らが脇を固めている。
監督は、にっかつ撮影所演出部の出身で、1990年『夏のペー
ジ』などの及川善弘。なお脚本は、石川・宮森630編「石川
・宮森ジェット機墜落事件証言集」に基づいている。
沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事件は記憶に新しい。それに対
して米軍ジェット機墜落事件というと、僕は1977年の横浜で
の事件は記憶していたが、1959年となるとこれは全く記憶に
ないものだった。
実は、1961年にも地元近くの大磯沖にジェット機が墜落した
ことがあって、このときは事故機のパイロットがギリギリま
で操縦桿を握って陸地を離れてから脱出したということで、
それは美談として伝えられていた。しかし本作の事件のこと
を知ると、その美談にも眉に唾を付けたくなるものだ。
それにしてもこの大磯の事件は覚えていて沖縄の事件を記憶
していないとは…。それは確かに当時は沖縄返還前で、報道
自体もままならなかったのかもしれないが、なにか釈然とし
ないものを感じるし、それが多分沖縄の悲劇なのだろうとい
う感じもしてくる。
ただこのように強いメッセージを持った作品だが、その描き
方が宮森事件の映像をモノクロにしてみたり、時間軸を妙に
動かしたり、作為に満ちているのはいかがなものか。それで
観客に混乱を与えるより、もっとストレートに描いた方が、
最後の歌も際立たせたのではないかとも感じられた。
それはともかく、本作が日本人の全員がしっかりと考えるべ
き問題の描かれた作品であることは確かだ。

『牙狼<GARO>〜蒼哭ノ魔竜〜』
2010年7月と昨年9月にも紹介している『牙狼』シリーズの
最新作。ただし昨年紹介の作品はテレビ用なので、劇場版と
しては第2作となるものだ。なお本作は今年の東京国際映画
祭の特別招待作品としても上映された。
物語は過去の紹介作品と同様、魔戒騎士の冴島鋼牙を主人公
としたもの。しかし今までの作品が現世を舞台としていたの
に対して、本作は摩訶不思議な別世界を背景としている。こ
れはもしかするとテレビシリーズの流れを汲んでいるのかも
しれないが、そんなことはお構いなく、取り敢えずそういう
世界が舞台だとして納得して観ることはできるものだ。

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12月02日(日)
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