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On the Production
by 井口健二
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■FASHION STORY、アウトレイジ2、ヴァンパイア、ロラックスおじさん、One Night One Love、最終目的地、ゾンビ革命、ハーバー・クライシス
ヒットに導いたクリス・ルノー、脚本は、『怪盗グルー』と
2011年7月紹介『イースターラビットのキャンディ工場』も
手掛けたケン・ダリオとシンコ・ポールのコンビ。
「本物の木」と言われても、映像に現れるのは日本人の感覚
とはかなり違うものだ。しかしこれは木という存在を、もっ
と大きなものも含めた象徴として描いているもので、この違
和感はそれを考えさせるためのものでもありそうだ。
そしてそんな想いが、映画の最後に登場するドクター・スー
スの言葉で締めくくられる。これは間違いなくもっと大きな
テーマを感じさせるものだ。因に原作は1971年に発表されて
いる。
声優は、僕の見たオリジナル版ではザック・エフロン、テイ
ラー・スウィフト、ベティ・ホワイト、ロブ・リックル、エ
ド・ヘルム、それにダニー・デヴィートだったが、日本版で
は、志村けん、山寺宏一、トータス松本らが担当しているよ
うだ。
公開は10月8日から、3D・2D同時で行われる。映像には
アトラクションムーヴィ的なところも何ヶ所かあり、鑑賞は
3Dの方が向いていると言える作品だ。もちろんお子様向け
の作品だが、テーマ的には大人にも考えさせるものがあり、
その辺はしっかりした作品と言える。
その点では、『怪盗グルー』『イースターラビット』の気分
で観に来た人はちょっと驚かされてもいたようだ。
『One Night One Love』“You Instead”
イギリス最大級のT in the Park ロック・フェスティヴァル
を舞台にしたかなり捻ったラヴストーリー。
主人公は、そこそこ人気のあるらしい男性シンガーと、駆け
出しの女性シンガー。そこに女性のヴィデオ・リポーターも
登場するが、直接関係はない。そして男女のシンガーがふと
したことで手錠で繋がれ、2人はそのままステージにも上が
らなくてはならなくなる。
さらに2人にはそれぞれの付き合っている相手が登場して、
合計4人で一夜を過ごさなければならなくなってしまう。そ
んな彼らの一夜の行動が、巨大なロック・フェスティヴァル
の会場を背景に描かれる。
実際のロック・フェスティヴァルを舞台にした作品というこ
とでは、2010年4月紹介の『BECK』も確かフジロック・
フェスティヴァルで撮影されていたが、フェスの前後に一部
を借りて撮影するのではなく、フェスティヴァルのそのもの
の中で撮影が敢行されているのは見事な作品だ。
テーマ的な捻りの面白さもあるし、これはなかなか巧みに作
られた作品と言える。ただし、上にも書いた女性ヴィデオ・
リポーターの存在は、結局その後は主人公たちにも絡まない
ものだが、それが途中でも何度も登場するは果たして意味が
あったか否か。
とは言え、これがあっても全体の上映時間は80分と短いもの
で、これを削ったらどうなってしまうかだが。ここではもう
少し主人公たちのエピソードを掘り下げるなどして、彼らの
姿を充分に描いて欲しかった感じもしたところだ。恐らくは
撮影の状況がそれを許さなかったのだろうが。
監督は、2011年11月紹介『パーフェクト・センス』などのデ
ヴィッド・マッケンジー。脚本は、トーマス・レヴェリット
のオリジナル。監督の前作と同様、ちょっと変ったテイスト
のある作品だ。
出演は、今年1月紹介『最高の人生をあなたと』などのルー
ク・トレダウェイ。彼は、2005年のデビュー作ではロック・
ミュージシャン役だったとか。それと『ハリー・ポッター』
でトンクス役のナタリア・テナ。彼女は、女優の傍らロック
バンドのリード・ヴォーカルを務めているそうだ。
そんな2人の熱唱シーンは、なかなかのものに仕上げられて
いる。
他に、2010年11月紹介『ヒア・アフター』などに出演のマシ
ュー・ベントン、『パーフェクト・センス』にも出演のアラ
ステア・マッケンジー、2010年10月紹介『キック★アス』に
出演のソフィー・ウーらが脇を固めている。
『最終目的地』“The City of Your Final Destination”
1994年『日の名残り』などで3度のオスカーノミネートを果
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08月26日(日)
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