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On the Production
by 井口健二
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■ダークナイト ライジング、画皮 あやかしの恋、X年後、歌えマチグヮー、マダガスカル3、コンシェンス、セイフ、ペンギン夫婦のつくり方
そんな市場を救うため、住民たちが立ち上がる。そして彼ら
が始めたのは歌作り。元々音楽の好きな沖縄の人たちが、こ
こぞとばかりに才能を発揮。ついには「おばあラッパーズ」
まで誕生してしまう。
撮影・監督・編集は新田義貴。元は1992年NHK入局だが、
中東・アジア問題などの番組制作を続ける中で、沖縄放送局
配属となり2009年に独立。その後もドキュメンタリー作品の
制作を続けて、本作が劇場公開第1作となるようだ。
その制作態度はあまり出しゃばりもせず、しかしそれなりに
被写体との交流もあって、被写体目線での問題提起などは巧
みに行われている感じだ。ただまあ本作の場合は結末が成功
裏に終わっているから、それはそれで作り易かったとも言え
るのだろう。
それにキーワードが音楽というのも映画としては作り易いと
ころで、独特の沖縄旋律に乗せて披露される歌や踊りが作品
の全体を見事に彩ってくれる。そしてその音楽に誘われるよ
うに集まったり帰ってきた人々が、今の市場を支えていると
いう展開も素敵だった。
日本全国、シャッター商店街は数知れないが、僕自身がサッ
カーの応援で各地を訪れてみると、地方の中核都市であって
もその浮き沈みはかなり顕著に感じられる。そんな中で音楽
を通じて再興に成功した栄町市場の記録は、それなりの参考
にはなりそうな感じだ。
勿論そこには各地ごとの事情もあるだろうが、何かを見つけ
てそれ懸命に応援すること、それが第1歩のようにも感じら
れた。
『マダガスカル3』
“Madagascar 3: Europe's Most Wanted”
2005年6月紹介『マダガスカル』で始まったニューヨーク市
立動物園の人気者、ライオンのアレックス、シマウマのマー
ティ、キリンのメルマン、カバのグロリアを主人公にしたシ
リーズの最新第3作。
実は、2008年公開の『2』の試写は観ていなくて、今回は久
し振りの再見となった。その第2作はアフリカのサバンナが
舞台だったようだが、そこで主人公たちはペンギンズの裏切
りに遭っていたようだ。
でもまあそれはお決まりのもの、観客はそうだということを
認識していさえすればよい。そんなところから今回のお話は
始まる。
そこで、ようやくペンギンズの裏切りに気付いた主人公たち
は、ニューヨークに帰るための最後の手立てと思われるペン
ギンズの後を追って、彼らが向かったモンテカルロにやって
くるのだが…
そこには、自宅の壁を自らが「保護」した世界中の動物の剥
製で一杯にしたいと考える女動物保護官と、その組織が待ち
構えていた。しかも彼女は、まだライオンを手に入れていな
かったのだ。
こうしてモンテカルロに到着するなり保護官に追われること
になった4人組らは、貨物ヤードに停車中のサーカス列車に
隠れる。そしてそのサーカスの動物たちがニューヨーク公演
を夢見ていることを知った主人公たちは、サーカスの立直し
を開始する。
作品はシリーズ初の3Dで制作されているが、このサーカス
のシーンはかなりの見ものになっている。実際、サーカスを
舞台にしたアニメーションは過去にもあると思うが、その出
し物は現実のサーカスに制約されている感じがしていた。
しかし、従来のサーカスのイメージを打ち破った「シルク・
ド・ソレイユ」が、本作でもその制約を取っ払ってしまった
ようで、本作では実に奔放な技が展開される。そんな技が映
画としても巧みに描かれているものだ。
脚本と監督はシリーズ全てを手掛けるエリック・ダーネル。
また監督にはトム・マクグラスとコンラッド・ヴァーノンも
協力している。さらに脚本には、2006年9月紹介『イカとク
ジラ』などのノア・ボーンバックが参加して物語を完成させ
ているようだ。
声優は、僕が観たオリジナル版では、ベン・スティラー、ク
リス・ロック、デヴィッド・シュワイマー、ジェイダ・ピン
ケット=スミス。さらにブライアン・クランストン、ジェシ
カ・チャスティン、マーティン・ショート。それにフランシ
ル・マクドーマンド。
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07月22日(日)
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