ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460098hit]

■闇金ウシジマ、これは映画、ハイザイ、フクシマからの風、ディクテーター、メリダとおそろしの森、コロンビアーナ、フランス映画祭短編集
明らかにされていない。しかしそこに漂う無気味な雰囲気は
伝わってくる。その謎は「第二章」で明らかにされるのか?
国が自己の責任の所在を明らかにしないまま、次々に原発の
再稼動を進める理由は何なのか、ましてや昨年以降、原発な
しで多少の不便はあっても人々の基本的な生活に問題は生じ
ていない現状で、敢えて再稼動をする理由とは…
本作の題名は、東京に住む筆者にとってはかなりブラックな
感じにも取れるものだ。実際に作品の内容もそんなブラック
な側面も感じさせる。恐らくこれは確信犯的に付けられてい
るのだろう。「フクシマ」が片仮名なのにもそれが感じられ
た。
監督は、2002年に青森県六ヶ所村の原子力施設問題を描いた
『田神有楽』を発表している加藤鉄。元々は加藤哲の名前で
劇映画も発表していた1951年生まれの監督が描く作品は、今
も取材が続いているようだ。

『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』
                   “The Dictator”
2007年4月紹介『ボラット』などのサシャ・バロン・コーエ
ン製作、脚本、主演による猛毒の爆笑コメディ。コーエンは
2008年1月紹介『スウィーニー・トッド』や2011年12月紹介
『ヒューゴの不思議な発明』などの俳優でもあるが、本作こ
そが彼の本領だ。
主人公は、とある大陸の北東部に位置するイスラム国の独裁
者。彼が治める国は産油国だが、核開発疑惑があるため輸出
は禁止されている。しかし独裁者はハリウッドのセレブを寝
室に招くなど何処吹く風の豪華な生活だ。
とは言え、側近の進言で国連総会で演説をすることになり、
一躍ニューヨークへと向かうのだが、そこには飛んでもない
陰謀が待ち構えていた。こうしてトレードマークの髭を奪わ
れ、身元不明で街に放り出された独裁者は…
映画では、最初に「金正日に捧ぐ」というテロップが掲げら
れ、正にそういう感じの横暴な独裁者の姿が描かれる。しか
もそこに民主化を餌にした陰謀などが描かれるのは、矛先が
独裁者だけではないところにもあるものだ。
共演は、1983年『ガンジー』でオスカー受賞、『ヒューゴの
不思議な発明』などのベン・キングズレー、2011年1月紹介
『ヨギ&ブーブー』などのアナ・ファリス。他に2007年『ト
ランスフォーマー』などのミーガン・フォックス、エドワー
ド・ノートン、ジョン・C・ライリーら多彩なゲスト出演も
あったようだ。
監督は『ボラット』も手掛けたラリー・チャールズ、脚本に
も、コーエンに加えてアレック・バーグ、デイヴィッド・マ
ンデル、ジェフ・シェウファーらの『ボラット』のスタッフ
が名を連ねている。因に脚本家の3人は元『ハーヴァード・
ランプーン』のライターだそうだ。
なお、本作はすでに公開された全米を含む世界25カ国でNo.1
ヒットを記録したが、同時に世界の11カ国で上映禁止処分に
もなっているそうだ。そんな猛毒の作品だが、まあ日本人に
はそれほど切実にならずに笑えるかな。
それに物語の全体に良い意味の人間性が描かれているのも、
気に入ったところだ。

『メリダとおそろしの森』“Brave”
1986年にスティーヴ・ジョブスの資金提供によりルーカス・
フィルムのCGI部門が独立して誕生したPixar社の25周年
記念となる作品。
物語の背景は中世の王国。その王国の王女として生まれたメ
リダは、幼い頃の誕生日プレゼントに弓矢をねだるような活
発な女の子だ。しかし母親は、しっかりした教養とマナーを
身に付けることを願い、メリダの行動にはいろいろと注文を
付ける。
そしてついにメリダの婚約を進めることにし、慣例に従って
王国を治める3人の領主の息子の競技会を開催して結婚相手
を選ぶことにするのだが…。まだ結婚など先のことと考える
メリダはこっそり城を抜け出してしまう。
そして運命を示すと言われる鬼火の後を付けて森の奥に進ん
で行ったメリダは、怪しげな小屋を発見。小屋にいた老婆を
魔女と見破ったメリダは、運命を変えるあるものを手に入れ
る。しかしそれはある呪いの品でもあった。

[5]続きを読む

06月24日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る