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On the Production
by 井口健二
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■依頼人、リンカーン弁護士、オードリー/See You、ハローキティ、死刑弁護人、ディヴァイド、ラブド・ワンズ、ラヴ・ストリームス+F&F6
装置で投影するのが理想的な作品になるが、全国に展開され
ている「プラネタリウム」の中には、プラネタリウム装置を
持たない施設もあるそうで、そのため今回の作品も映像だけ
の構成だった。
ただし、プラネタリウム装置を併用する作品をパラで作るこ
とにはさほどの問題はないようで、今後はそのような作品を
増やしたいというのがメーカー側の期待のようだった。
またプロジェクターでの3D上映の可能性についても訊いて
みたが、通常の装置は単光源を一旦色分解して再合成する形
式になっており、光量が少ないので難しいとのことだった。
確かに今回の試写でもそれは感じられたものだ。
ただしI-Maxからは、すでにレーザー光源を使用して幅36mの
スクリーンに対応するプロジェクターも発表されており、将
来的にはそれも視野に入れる必要はありそうだ。
以上、今回はプラネタリウムでの映像作品の上映に付いて紹
介させてもらった。
なお今回紹介した作品は、神奈川県伊勢原市立子ども科学館
では4月から上映が始まっており、今後は5月に宮城県仙台
市天文台、6月に東京都タイムドーム明石などで順次公開が
決まっているようだ。
『死刑弁護人』
オウムの麻原彰晃、和歌山カレーの林眞須美、新宿バス放火
の丸山博文などなど、いずれも死刑の求刑されているこれら
の裁判では、実は同じ弁護人が被告人の弁護に当っている。
その弁護士の名は安田好弘。彼の姿を追った東海テレビ制作
のドキュメンタリー。
東海テレビ制作のドキュメンタリーでは、2011年5月『青空
どろぼう』という作品を紹介しているが、作品によっては内
容があざといというか、制作者の視点に今一つ共感できない
ものもあり、試写の案内を貰うといつも構えてしまう。本作
もそんな感じだった。
実際に上記の事件の名称を見れば、何でこんな奴らの弁護を
するんだ…、みたいな気分になるものばかりだ。そんなもの
を選んで弁護する弁護士なんて共感できるはずがない、とい
うのが先入観だった。しかし映画は観なければ何も始まらな
い。
それで観ての感想は、安田弁護士が信念の人であることは理
解できたし、また事件によっては多少見方の変わるものも生
じた。それはこの作品がドキュメンタリーとして、それなり
の意味を持つものであったということだろう。
因に、安田弁護士は本来が死刑廃止論者であり、その信念に
基づいて死刑囚の裁判に関っているものだが。その信念自体
は裁判で争うものではなく、裁判では飽く迄も真実を追求し
て行くという態度を貫いている。
それが、死刑反対弁護士ばかりが集まった麻原裁判では逆目
に出ている様子や、それでも検察からは目の敵にされて、妨
害としか思えない家宅捜査や逮捕の行われる様子は、弁護士
もののドラマを観ているようでもあった。
その一方で、丸山裁判では被告人の境遇にまで遡って無期懲
役を勝ち取るが、それでも結局は被告人を救えなかったとす
る悔悟の様子なども丁寧に描き出されていた。
そして最高裁から関ることになる林裁判では、現場を再検証
して明らかになる目撃証言への疑惑や、警察による証拠の捏
造を思わせる事象などが指摘され、それでも死刑判決を覆す
ことはできなかったが、今後の動きへの関心は高めるものに
なっていた。
僕自身は死刑廃止論に対しては態度を決めかねているものだ
が、本作はそのような議論に対してもいろいろな意味で一石
を投じる作品にはなりそうだ。その点でも、意味のある作品
と言えるものだ。
『ディヴァイド』“The Divide”
突然何者かの攻撃によって摩天楼の崩壊したニューヨーク。
そのとあるビルの地下に閉じ込められた9人の男女の姿を描
いたサスペンス作品。
映画は突然の攻撃によって崩壊して行くニューヨークの描写
から始まり、逃げ惑った人々がとあるビルの地下室に逃げ込
む。そこはミッキーと名告る男の個人シェルターだった。そ
して最初は大人しく運命を考える彼らだったが…
外部の状況も判らぬまま時間が過ぎる内、彼らの間には徐々
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05月06日(日)
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