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On the Production
by 井口健二
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■ミッシングID、孤独なツバメたち、一枚のめぐり逢い、MY HOUSE、フェイシズ、フライペーパー!、Hell、ラム・ダイアリー+Sin City
している。そして行政から派遣される係官との応対や、集め
た空缶を盗もうとする輩、ホームレス狩りなども描かれる。
それは悪天候の日も続けられる1日8時間の労働など、生活
としては楽なものではないが、主人公は何より自由を謳歌し
ている。そんなホームレスの哲学みたいなものも描かれてい
る作品だ。
因に主人公の名前は鈴本。これが『モバイルハウス』に登場
する鈴木氏であることは明らかだが、映画の中で主人公が行
っている空缶集めや、それに纏わるエピソードなども鈴木氏
の体験に基づくようだ。
出演は、名古屋在住フォークシンガーのいとうたかお。その
脇を石田えり、木村多江、板尾創路、それに本作のオーディ
ションで選ばれた愛知県在住の中学生の村田勘らが固める。
なお映画に登場する小屋は坂口氏の設計によるものだそうだ
が、先に『モバイルハウス』を観ているとその構造などが実
に判りやすかった。逆に、『モバイルハウス』では判らなか
った部分が本作で理解できることもあり、この2作は併せて
観るのが正解のようだ。
『フェイシズ』“Faces in the Crowd”
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で、シリアルキラーの顔を見た
ものの、その後の衝撃で相貌失認=人の顔が判別できない症
状に陥ってしまった女性の恐怖を描いた作品。
主人公は、小学校で低学年を受け持つ女性教師。独身生活を
エンジョイしているが、付き合っている男性のプロポーズを
待っている身でもある。そんな彼女が親友の女性2人と飲ん
での帰宅中。シリアルキラーの犯行を目撃してしまう。
そこで犯人の顔を見た主人公は息を潜め隠れるのだが、無情
にも携帯電話が鳴りだし、犯人に追い詰められた彼女は橋か
ら転落して頭を打ってしまう。そして昏睡から醒めた彼女の
前には見知らぬ男女が心配そうに顔を覗き込んでいた。
そこにいたのは婚約者と親友の女性2人。しかし彼女は人の
顔を判別できない症状に陥っていたのだ。こうして目撃した
犯人が目の前にいても判別できない…前代未聞の恐怖が彼女
を襲い始める。そして犯人の魔の手が徐々に迫っていた。
監督は、2002年12月紹介『ブラディ・マロリー』などのジュ
リアン・マニャ。本作は学生時代に心理学の授業で「相貌失
認」という症状を聞いて以来温めてきたアイデアだそうで、
監督は自ら脚本も執筆しているものだ。
共演は2006年11月紹介『ラッキーナンバー7』などのセバス
チャン・バーツ、2011年12月紹介『ウォーキング・デッド』
などのサラ・ウェイン・キャリーズ、テレビ『スターゲイト
SG−1』などのマイクル・シャンクス。
さらに2009年4月紹介『トランスポーター3』に出演のデイ
ヴィッド・アトラクチ。そして2006年12月紹介『マリー・ア
ントワネット』にも出ていたマリアンヌ・フェイスフルらが
出演している。
ただし主人公が顔の判別を出来ないという設定なので、主な
登場人物は複数の俳優によって演じられており、映画データ
ベースの配役表はかなり面白かった。
犯人の顔の判別が出来ないことによるサスペンスが中心の作
品だが、そんな状況でも強く生きようとするヒロインが巧み
に描かれており、さらにそれによって生じる様々な現象など
も興味深く描かれていた。
『フライペーパー!』“Flypaper”
2010年4月紹介『ハングオーバー!』で世界的な大ヒットを
記録したジョン・ルーカスとスコット・モーアのコンビによ
る脚本を、2004年3月紹介『ホーンテッド・マンション』な
どのロブ・ミンコフ監督が映画化した作品。
主演は、2004年8月紹介『ツイステッド』などのアシュレイ
・ジャッドと、本作の製作も兼ねる2008年1月紹介『魔法に
かけられて』などのパトリック・デムプシー。
その事件は閉店間際の銀行で始まる。両替客の相手をしてい
た女性銀行員の前で銃声が鳴り銀行強盗が現れるのだが、何
と強盗団は2組。片やハイテクを駆使し大金庫を狙う3人組
と、他方はアロハにサンダル履きでATMを狙う2人組が鉢
合わせしたのだ。
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04月22日(日)
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