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On the Production
by 井口健二
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■キラー・エリート、サイタマノラッパー3、決闘の大地で、キリング・フィールズ、ジョン・カーター、三重スパイ+製作ニュース
少女失踪事件を追っていたが、遺体は湿地帯に遺棄されたの
であろうその事件の手掛かりはなかなか掴めなかった。
その一方でブライアンは、湿地帯の近くに住む心に傷を持つ
少女リトル・アンを気に掛けていたが、男癖の悪い母親にも
疎まれるアンはいつも1人で町を彷徨っていた。そしてその
アンが失踪する。
刑事の勘でアンが事件に巻き込まれたと判断したブライアン
は、ただちに犯人が携帯電話を使った湿地帯に向かうが…
共演は1月紹介『ヘルプ・心がつなぐストーリー』の演技で
アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャ
スティン。他に、2011年7月紹介『デビルクエスト』などの
スティーヴン・グレアム、2011年8月紹介『ウィンターズ・
ボーン』や1990年『ツイン・ピークス』のシェリル・リーら
が脇を固めている。
脚本は、2006年12月紹介『デジャ・ヴ』などのアソシエート
プロデューサーを務めたドナルド・F・フェラローンが、製
作者のマイクル・マンと共に長年温めてきたもので、実在の
地域での60年に渡る犯罪記録の実話に基づいているとのこと
だ。
そして監督は、製作者マンの実の娘のアミ・カナーン・マン
が担当。父親譲りの女性とは思えない骨太な演出ぶりだが、
時折見せるなるほどと思わせる優しさが素晴らしい効果を上
げていた。
『ジョン・カーター』“John Carter”
SFファンには懐かしいエドガー・ライス・バローズ原作の
冒険ファンタシーが、ウォルト・ディズニーの生誕110周年
記念作品として超大作で映画化された。
物語の発端は1881年。1人の若者が、大金持ちだが人嫌いの
叔父ジョン・カーターから緊急の呼び出しを受ける。しかし
彼が叔父の邸宅に駆けつけたとき、すでに叔父の遺体は外か
らは開けられない霊廟に納められた後だった。
そして叔父の日記を託された若者は、そこに綴られた驚異の
物語を知ることになる。それは遡ること13年前の1868年。元
南軍の英雄だったカーターは、新たに創設された騎兵隊から
の誘いも断わり、アリゾナの荒野を彷徨っていた。
そんなカーターは、ある事情から騎兵隊とアパッチ族の双方
に追われ、逃げ込んだ洞窟の奥で何者かに襲われる。そして
昏倒したカーターが目覚めたのは、赤茶けた大地の広がる見
知らぬ土地。しかもそこでカーターは驚異的なジャンプ力を
身に付けていた。
ということでジョン・カーターの火星での大冒険が始まるの
だが…。何というか、昔読んだバローズの印象と何処となく
違う。それは昨年12月に紹介したときにも薄々感じてはいた
のだが、映画化に当って補充された心理描写が印象を変えて
しまっている感じだ。
ただまあ、日本でもアメリカでもいまさらバローズなんて…
という観客は多いのだろうし、新たなファンタスティック・
アドヴェンチャーとして観て貰えればそれで良いのだろう。
こんなことに引っ掛かるのは年寄りだけとしたい。
出演は、2006年9月紹介『スネーク・フライト』などのテイ
ラー・キッチュ、2008年5月紹介『BUG』などのリン・コ
リンズ。他に、ウィレム・デフォー、サマンサ・モートン、
マーク・ストロング、トーマス・ヘイデン・チャーチらが脇
を固めている。
また『スパイ・キッズ』シリーズで弟ジュニ・コルテス役の
ダリル・サバラが、原作者エドガー・ライス・バローズの役
で登場している。
映画製作の経緯などは、サイトの2002年5月1日付第14回や
2007年2月1日付第128回などでも紹介しているので参照し
て欲しいものだが、兎にも角にも映画化の第1作は、原作発
表100周年の年に完成された訳で、続く第2作にも期待した
いものだ。
『三重スパイ』“Triple agent”
今年2月紹介『ある秘密』と同じく、「フランス映画未公開
傑作選」と題されて初公開される3作品の内の1本。2010年
に他界したエリック・ロメール監督(1986年『緑の光線』で
ヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞)による2003年の作品。
物語の舞台は1930年代のパリ。1922年のソ連成立により生じ
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03月11日(日)
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