ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■へんげ、夢の教室、FLY!、幸運の壺、ヤング≒アダルト、トテチータ、スーパー・チューズデー、ももへの手紙、僕達急行
特に「幸運の壺」の捻りはオカルトか何なのか、いろいろ想
像させてくれたから、それは当たりというところだろう。試
写の終わりでは、これはおかしいと文句を言っている人もい
たようだが、吉本新喜劇にその文句はお門違いだ。
出演は、ほっしゃん。、麻生久美子、戸田恵子。他に佐津川
愛美、前田公輝、蛍原徹、福田転球、藤森慎吾、ヨネスケ。
さらに渡辺哲、麿赤兒。そして吉本の若手芸人らが脇を固め
ている。
監督は、日本テレビ「踊る!さんま御殿!!」などの総合演出
を担当する小川通仁による初映画監督作品。脚本は「金田一
少年の事件簿」などの福間正浩。因に福間は小川が演出した
テレビドラマでも組んでいるようだ。
まあ、日本では定番のシチュエーションコメディだが、本作
はニューヨークで開催されたフライヤーズクラブ・コメディ
映画祭というところにも出品されたようだ。

『ヤング≒アダルト』“Young Adult”
2007年『JUNO』の脚本でオスカー受賞のディアブロ・コ
ーディと、監督賞の候補になったジェイスン・ライトマンが
再び組み、2004年8月紹介『モンスター』でオスカー受賞の
シャーリズ・セロンを主演に迎えたヒューマンコメディ。
主人公は、執筆中のヤングアダルト小説のシリーズが評判に
なっている30代の女流作家。都会に出てそれなりの地位は築
いたが、満たされているという感じではない。そんな彼女の
許に元カレの一家から子供の名付け式への招待状が届けられ
る。
その元カレとは高校時代に周囲も認める仲だったが、何故か
2人は結婚しなかった。そして彼女は都会に出て行き、彼は
地元で平凡だが幸せな家庭を築いたのだ。しかし彼女には未
練が残っていた。
そんな彼女が何故式に招待されたのかは謎だったが、取り敢
えず彼と会えることに希望を繋いだ主人公は、故郷に戻って
来る。しかしそには彼女の過去が様々な形で残っていた。
故郷にいれば周囲と一緒に成長できたのかも知れない。しか
し1人都会に出たために周囲から切り放されて大人になれな
かった主人公。そんな女性が故郷に帰ってきたら、それはも
う悪夢でしかなくなる。周囲にとっても、そして彼女にとっ
ても…
僕自身、物書きの端くれとしては、常に感性を若く保つこと
に心掛けている面はある。ただ対象が映画だと、同世代の監
督や俳優が一緒に成長してくれるから、それなりの自覚が得
られるが、作家それもYAの作家だとさらに感性を若く保つ
必要もありそうだ。
そんなこんなで、僕としてはかなりこの主人公を理解したつ
もりだが、それでもやはりこんな奴が周囲にいたらそれは迷
惑だとは思える。それくらいにリアリティの感じられる作品
でもあった。
共演は、2007年6月紹介『レミーのおいしいレストラン』で
レミーの声を担当したパットン・オズワルドと、20072010年
12月紹介『恋とニュースのつくり方』などのパトリック・ウ
ィルスン。他に『トワイライト』シリーズにエズミ役で出て
いるエリザベス・リーサーらが脇を固めている。
キャッチコピーには「あなたは、私を、笑えない。」とある
が、正しくそういう感じの作品だった。

『トテチータ・チキチータ』
震災及び原発災害後の福島を舞台にしたかなりファンタシー
の要素の強いドラマ作品。
主人公は連帯保証人になったことから借金取りに追われるよ
うになり、ふとビルの屋上に上がったところを見知らぬ少女
から「あなたを待っている人がいる」と告げられる。そして
少女が指差していた福島にやってくる。
その少女も家庭の事情から福島に引っ越してくるが、彼女の
周囲ではちょっと不思議な現象が起きていた。やがて町の公
園で出会った少女は、主人公をお兄ちゃんと呼び、自分はお
母さん、もう1人の高校生をお父さんと呼んで3人の交流が
始まる。
一方、主人公は住宅地に1人で住む老女の家の土地を狙う不
動産屋で働いていたが…。戦争で家族を失った女性と、その
家族の身代わりになる人々。それはやがてある奇跡を生み出
して行く。

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02月05日(日)
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