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On the Production
by 井口健二
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■AKB48、SHシャドウ・ゲーム、最高の人生を、第九軍団の、コーマン帝国、ファミリー・ツリー、種まく旅人、ドラゴン・タトゥー+Riddick
物語の背景は、紀元2世紀のスコットランド。その神秘的と
も言えるハイランドの風景が、スコットランドの現地とハン
ガリーでのロケーションによって見事に再現され、謎に満ち
た第九軍団失踪の真相が描かれて行く。
因に物語自体はサトクリフの創作だが、第九軍団の失踪は史
実であり、その狭間が冒険物語として巧みに描かれている。
そして映画では当時の進駐軍の様子やブリトン(ケルト)人
の生活ぶりも再現され、それは一種ファンタシーのようにも
描かれていた。
出演は、2011年1月紹介『僕が結婚を決めたワケ』などのチ
ャニング・テイタムと、11月紹介『タンタンの冒険』で主人
公の声優を務めたジェイミー・ベル。他に、ドナルド・サザ
ーランド、マーク・ストロングらが脇を固めている。
脚本は、2003年11月紹介『すべては愛のために』などのジェ
レミー・ブロック。撮影は、2009年1月紹介『スラムドッグ
$ミリオネア』でオスカー受賞のアンニ−・ドット・マント
ルが手掛けて、素晴らしい情景を観せてくれている。
なお本作は、2011年2月27日付「バンコク遠征記(後編)」
の中でも触れた作品で、その時には観られなかった作品によ
うやく出会えたものだ。
『コーマン帝国』
“Corman's World: Exploits of a Hollywood Rebel”
オスカーを授与するアメリカ映画芸術科学アカデミーから、
2009年に名誉賞を贈られた低予算映画の王者ロジャー・コー
マンの姿を、本人及び彼の許から巣立った数多くの映画人の
証言などで描き出したドキュメンタリー。
そのインタヴューに答えているのが、俳優のロバート・デ・
ニーロ、ジャック・ニコルスン、ピーター・フォンダ、ブル
ース・ダーン、ウィリアム・シャトナー、デイヴィッド・キ
ャラダイン、パム・グリア。
監督ではマーティン・スコセッシ、ロン・ハワード、ジョナ
サン・デミ、ポール・バーテル、ピーター・ボグダノヴィッ
チ、ジョー・ダンテ、ジョン・セイルズ。そして製作者のゲ
イル・アン・ハードなど。
この人たちが直接の門下生としていろいろな思い出を語り、
さらに監督のクエンティン・タランティーノ、ポール・WS
・アンダースン、イーライ・ロス、アーヴィン・カーシュナ
ーらがコーマンを讃える発言を行っている。
何とも錚々たる顔ぶれだが、そこでは普通のハリウッドでは
考えられない究極とも言える低予算映画の製作の様子や彼ら
が如何にしてコーマンに育てられたか、またコーマンの存在
が如何にハリウッドに影響を及ぼしたかなどが語られる。
その発言の多くは、僕の立場からするとすでに書物などで知
っていたことではあったが、それらがその当事者の口から直
接聞けるのは素晴らしいものだ。特にジャック・ニコルスン
が感激しながら語る姿は、受賞式などで見る彼からは想像も
できないものだった。
また、コーマン自身が自作の中で唯一のアート的作品と称す
る“The Intruder”については、当時初主演だったシャトナ
ーへのインタヴューを始め、フィルムクリップなども挿入さ
れて、日本未公開の作品がかなり克明に紹介されている。
さらにコーマンが製作を務める新作の撮影風景や、数多くの
映画人が集まったオスカー名誉賞の受賞式の模様など、正に
コーマンの業績を讃えることに専念したと言える作品。僕の
ような者には正しく最高の贈り物だった。
『ファミリー・ツリー』“The Descendants”
今年のゴールデン・グローブ賞で映画ドラマ部門作品賞と、
ジョージ・クルーニーが主演男優賞を受賞したファミリード
ラマ。
舞台は常夏の楽園ハワイ。しかしそこに住む人々には、必ず
しも楽園とばかりは言っていられない。ただしクルーニーが
演じる主人公は、カメハメハ大王に繋がる先祖伝来の広大な
土地を所有する一族の代表だったが…
突然、妻がボートの事故で意識不明の重態となり、今まで土
地の管理の仕事で家庭を省みなかった主人公に2人の娘の世
話が任せられる。その末娘はまだ現実の状況を知らせられな
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01月22日(日)
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