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On the Production
by 井口健二
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■Dフェアリー、運命の子、チベット犬、Lアサシン、フライ・オブD、ツィゴイネル…/陽炎座、おかえりはやぶさ、Aキングダム+Star Trek
を引き受けさせられてしまう。それはイギリスの石油利権に
関わる男性歌手の暗殺だった。そして彼女はその歌手の出演
する音楽祭に向うが…。
こうしてオーストリアのシャトーで開催される音楽会までの
2週間を期限に暗殺計画が進められるのだが、そこには別の
暗殺者や彼女の正体を暴こうとする諜報員も潜入していた。
それらは彼女自身の運命も左右して行く。
ロランの役柄は、前作ではバイオリニストだったが今回はコ
ントラルトと呼ばれる女声の歌手。作品中では「メサイア」
の歌唱シーンなどもある。因にロランは、フランスでは歌手
としても活躍しているそうで、本作でも歌声は彼女自身のよ
うだ。
共演は何れも2005年1月紹介『ロング・エンゲージメント』
に出演のクロヴィス・コルニアック、チェッキー・カリョ、
ジャン=クロード・ドレフュス。他に1987年『さよなら子供
たち』などのフィリップ・モリエ=ジュヌーらが脇を固めて
いる。
脚本と監督は、本作がデビュー作となるジェローメ・ル・グ
リ。検索して1971年生まれということだけは判ったが、本作
以外のフィルモグラフィは全くなし。この歳まで一体何をし
ていたのかという感じだが、演出はかなりしっかりした感じ
のものだ。
ただし物語的には、最初の流れからすると後半が多少甘い感
じはする。しかし、この結末のためにはこれも仕方がないか
な…。劇中にはロランのヌードシーンなどもあり、それなり
のサーヴィスもされている。アルプスの山間の風景も美しく
描かれていた。
『フライ・オブ・ザ・デッド』“Prowl”
先に紹介した『51』に続くAfter Dark Originalsで、日本
紹介の第2弾となるサンプルDVDを鑑賞した。
前回の作品は実録風だったが、今回の作品は普通のドラマ。
田舎町での暮らしに飽きた若い女性が都会生活を夢見て脱出
を決意。明日が期限のアパートの手付け金納入のためシカゴ
に向うことになり、友人の車で出発する。
ところがその車が途中で故障してしまい、仲間と共にフルハ
ーフのトラックにヒッチハイク。そして目隠し状態で連れて
行かれた場所は廃工場状態の食肉工場。しかもそこには何や
ら怪しげな多数の人影があって…
この怪しい人影が、ゾンビではなさそうだが明確には定義さ
れていなくて、それはまあ下手に定義してとやかく言われる
よりはこの方が問題は少ないかな。そんな割り切り方が、か
えって判っているな、とも感じさせる作品だ。
脚本は、2006年製作の“Trespassers”というやはりB級の
ホラー作品で撮影台本を手掛けているティム・トーリ。因に
この人は、『51』のアソシエートプロデューサーでもあっ
たようだ。
監督は、2008年にノルウェーで“Rovdyr”というホラー作品
を手掛けているパトリック・シヴェルセン。本作の後は再び
ノルウェーで、“Exteriors”というかなりシュールとされ
る作品を撮っている。
主演は、ジェレミー・アイアンズが主演した歴史テレビシリ
ーズ“The Borgians”にセミレギュラー出演しているルタ・
ゲドミンタス。彼女は監督の次作“Exteriors”にも出演し
ているようだ。
他には、1992年『パッセンジャー57』などのブルース・ペ
イン、ちょい役だが今年10月紹介『ロンドン・ブルバード』
に出演のジェイミー・ブレイクリーら。なお撮影はブルガリ
アで行われており、スタントなどには現地のスタッフが起用
されているようだ。
B級感で一杯の作品は、12月22日にDVDリリースされる。
『ツィゴイネルワイゼン』
『陽炎座』
鈴木清順監督による「浪漫三部作」の第1作と第2作、それ
ぞれ1980年と81年の製作で、先に紹介した第3作の『夢二』
(1991年製作)までには約10年の歳月が開く。
テントの架設映画館で上映された最初の公開には行けなかっ
たが、この2本は1980年代に2本立ての特集上映で観た記憶
がある。しかしその内容はほとんど理解できず、難しい映画
という印象だけが残っていたものだ。
その作品を約30年ぶりに再鑑賞した訳だが、今回も話の大筋
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11月27日(日)
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