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On the Production
by 井口健二
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■50/50、家族の庭、牙狼、スパイキッズ4D、フェア・ゲーム、スクリーム4、第7鉱区、私だけのハッピー・エンディング+Lone Renger
犯行声明が出された。それは世界の時間を加速して破滅に導
くと言うもの。そしてその犯行には、ママが双子の姉に贈っ
たペンダントが関っていた。
こうして謀らずもママの正体を知ってしまった姉弟は、匿わ
れたOSSの本部で、スパイキッズの歴史を知ることにもな
るが…
まあお話はお子様向けの御都合主義も満載のものだが、そん
なことは承知の上でその物語を、目一杯のアイデアとVFX
と3Dで彩り、さらに今回は4つ目の次元として匂いも加え
た仕掛け満載で描き出している。
出演は、ジェシカ・アルバ、2005年11月紹介『ロード・オブ
・ドッグタウン』に出ていたというジョエル・マクヘイル、
そして姉弟役には新進のローワン・ブランチャードとメイソ
ン・クックが抜擢されている。
また、前作までのスパイキッズのアレクサ・ヴェガとダリル
・サバラが成長した姿で登場して活躍してくれる他、2010年
『マチューテ』などのダニー・トレホが前作と同じ役柄で顔
を見せていた。
ただ、カードを用いた匂い付き映画は、プレス資料の監督の
発言では史上初とされていたが、これはアメリカでは1981年
“Polyester”という作品で実施されたことのあるもの。こ
の作品は日本でも1986年に公開されたはずだが…
『フェア・ゲーム』“Fair Game”
2003年3月に開戦されたアメリカ−イラク戦争を検証し、そ
れによって振り回された夫妻の実話を映画化した作品。
2001年9月11日の同時多発テロによって、アメリカ政府は一
気にイラク・フセイン政権への疑いを強め、イラクの核兵器
開発疑惑などの調査を開始する。その任に当たったのは、元
ニジェール駐在アメリカ大使だったジョー・ウィルソン。
彼は、妻のヴァレリーが勤務するCIAからの依頼を受けて
アフリカに飛び、大使だった頃の人脈を使ってイラクが大量
のウランを買い付けたとの疑惑を調査する。しかしいくら調
べてもその事実は全く現れず、疑惑は虚偽との報告書を提出
する。
ところがブッシュ大統領は会見でラクがウランを買い付けた
事実があると明言し、それによってイラクへの宣戦を布告。
これにより多数の一般市民を犠牲にする侵攻作戦が実施され
てイラクは占領される。しかし核兵器は一向に発見されなか
った。
これに対してウィルソンはマスコミに自らの調査結果を暴露
し、ブッシュ政権の欺瞞を告発するのだが、それは彼自身へ
の報復を招くことになる。そしてその結果は夫婦の関係など
に多大な犠牲を産むことになって行く。
物語は、最終的にブッシュ政権の上層部の人物が有罪となっ
た事実までを描いて行くが、その過程ではヴァレリーが従事
していた中東での核技術者救出作戦の破綻など、多大な犠牲
や裏切りがあったことも告発している。
これは日本でも、国策に関る政府の発表は全て虚偽に塗り込
められていることは、原発問題や、恐らくはそんな程度で済
んでいるはずの無い放射能被害の報告などでも疑うところだ
が、アメリカの場合はそれを告発する人間がいるだけましと
も言えるかもしれない。
出演は、ナオミ・ワッツとショーン・ペン。中でもペンは、
2006年12月紹介の『オール・ザ・キングスメン』でも果敢な
ブッシュ共和党政権批判を行っていたが、本作でもその矛先
は全く鈍っていないものだ。
また映画の中では、主人公が講演でフランクリンの言葉を引
用したRepublic(共和主義)という言葉の後で、Democratic
(民主主義)と2回も言う辺りに、彼の意志が伝わってくる
感じもした。
共演は、2003年7月紹介『T3』などのデヴィッド・アンド
リュース、07年10月紹介『その名にちなんで』などのブルッ
ク・スミス、03年11月紹介『すべては愛のために』などのノ
ア・エメリッヒ、そして04年11月紹介『きみに読む物語』な
どのサム・シェパード。
監督は、2002年11月紹介『ボーン・アイデンティティー』な
どのダグ・リーマンが担当した。
『スクリーム4/ネクスト・ジェネレーション』“SCRE4M”
11年前の2000年まで3作品が製作・公開されたウェス・クレ
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09月11日(日)
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