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On the Production
by 井口健二
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■鉄拳、ホームランが聞こえた夏、A3DU、ドライブ・アングリー3D、アザー・ガイズ、アジョシ、ムーランルージュの青春+Comic-Con
のだから、これは優れた映像作品と言えそうだ。

『ドライブ・アングリー3D』“Drive Angry 3D”
ニコラス・ケイジの主演を得て、撮影から3Dで行われたア
クション作品。
物語は、ケイジ扮する主人公がヘヴィなアメ車で脱獄を敢行
するところから始まる。彼の目的はカルト集団に連れ去られ
た娘とその子供を救出すること。そして脱獄した主人公は、
極めて暴力的な手段を駆使してそのカルト集団の後を追い始
める。
さらに主人公は、浮気者のボーイフレンドに愛想を尽かした
ウエイトレスを巻き込んで追跡を続けるが、そこにカルト集
団からの反撃も開始される。そしてその後をFBIの身分証
を翳す1人の男が追跡していた。
という物語だが、実はこれが一筋縄では行かないもの。その
辺で観客の興味を引っ張りながら、カーアクションやパンチ
の応酬、それに銃撃戦に爆破などが、撮影から3Dで行われ
たスクリーンに描かれて行く。
アメリカの広告には‘Shot in 3D’と記載されており、実際
に撮影は、RedOneのディジタルカメラ2台を並列に設置して
行われているようだ。従って本作では、ナチュラルな3Dが
存分に楽しめるものだ。
共演は、6月紹介『ザ・ウォード』などのアンバー・ハード
と、テレビの『プリズン・ブレイク』でもFBI捜査官役を
演じていたウィリアム・フィクトナー。他に4月紹介『赤ず
きん』などのビリー・バーク、6月紹介『シャンハイ』など
のデイヴィッド・モースらが脇を固めている。
監督は、『スクリーム』シリーズなどの編集出身で、2009年
に“My Bloody Valentine”のリメイクを3Dで手掛けたパ
トリック・ルシエ。本作では、3Dも経験済みの監督が見事
な映像を繰り広げている。
巻頭のシーンではCGIを使ったかなりファンタスティック
な映像が展開され、それから後もケイジの作品らしい、観客
の期待を裏切らない物語が繰り広げられる。アクションも強
烈で一級のエンターテインメントと呼べる作品だ。
また、主人公が乗り回す1969年型ダッジ・チャージャーや、
1957年型シェヴィー、1964年型リヴィエラなど、画面に登場
するヴィンテージカーもアメ車ファンの注目を浴びそうだ。

『アザー・ガイズ』“The Other Guys”
NYPDの刑事部屋を舞台に、ハリウッド映画に登場するよ
うなマッチョな警官たちとは一味違う真面目?な警官たちの
姿を追ったウィル・フェレル、マーク・ウォルバーグ共演に
よるコメディ作品。
物語の開幕は、ドウェイン・ジョンスンとサミュエル・L・
ジャクスン扮するマッチョな刑事の大活躍。パトカーを何台
廃車にしても、突入した建物をどれだけ打っ壊しても、犯人
さえ逮捕すれば彼らの活躍は勲章もの。
その一方で、奴らのいい加減な報告書を清書するのはフェレ
ル扮するアレン刑事の仕事。彼も刑事だが、刑事部屋に閉じ
込もったまま、今までに拳銃を撃ったことも、犯人の追跡を
したこともない。
そんなアレン刑事と組むウォルバーグ扮するテリー刑事も、
実は過去に飛んでもない失敗をやらかしたことがあり…。
という言ってみれは2人のお荷物刑事が、アレンが見つけて
きた銃撃戦など起きそうもない建築法違反事件を調べようと
して、大きな山にぶち当ってしまう。それは国際金融も関わ
る大事件だった。
フェレルには、2007年10月に紹介した『俺たちフィギュアス
ケーター』なんて作品もあるが、同年1月紹介の『主人公は
僕だった』ではゴールデングローブ賞にもノミネートされた
コメディ俳優のベテラン。
一方、ウォルバーグはアクション俳優としての認知度が高い
が、2006年『デパーテッド』で念願のオスカーノミネートを
果たし、今年のアカデミー賞では自ら製作・主演した『ザ・
ファイター』が高評価を得た。そんな2人が本作では、見事
なコンビネーションを発揮している。
共演は、2010年12月紹介『バッド・ルーテナント』などのエ
ヴァ・メンデス。他に、2009年2月紹介『パニッシャー』な
どのレイ・スティーヴンスン、2008年『トロピック・サンダ

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07月31日(日)
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