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On the Production
by 井口健二
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■ヒマラヤ、復讐捜査線、リメンバー・ミー、あぜみちジャンピンッ、幸せのパズル、赤い珊瑚礁、ワン・ヴォイス+Rendezvous With Rama
それほどの思いの入ったパティンスンの演技にもファンの目
が集まる作品だ。
共演は、TVドラマ『LOST』などのエミリー・デ・レイ
ヴィン、5月紹介『テンペスト』などのクリス・クーパー、
それとピアーズ・ブロスナン。
他に、2010年6月紹介『トラブル・イン・ハリウッド』など
のケイト・バートン、2006年3月紹介『カサノバ』などのレ
ナ・オリンらが脇を固めている。

『あぜみちジャンピンッ!』
水田の広がる田園地帯を背景に、聾唖者の少女がストリート
ダンスに才能を開花させて行く姿を描いた青春映画。
主人公は、どういう事情かは判らないが、母子家庭の一人娘
で聾唖者。そんな彼女が、町中のヴィジョンに映るダンスパ
フォーマンスを観て憧れ、そのDVDを買って自宅でも観る
ようになる。
そして彼女は、公共施設のガラスの前でダンスの練習をして
いる聴者のグループを見つけ、やがてそのメムバーの1人が
彼女に声を掛けらるが、何と声を掛けた少女は手話を使うこ
とができた。
こうして、そのグループの1員としてダンスの練習を始めた
彼女だったが…
物語としては、有り勝ちな何かに打ち込む若者の姿を描いた
青春ドラマだが、その主人公が聾唖者ということでその差別
や困難さなども描かれる。といっても全体的にはあまり深刻
にならずに、ある意味さらりと描いているのがこの作品の良
さとも言える。
実際、苛めだの差別だのをネチネチと描いて、苛めの手口を
日本中に教えることが目的なのか…と思えるような日本映画
やドラマが多い中では、さすがに海外の映画学校で学んだ監
督の作品とも言えそうだ。
監督は、2002年にロンドンの映画学校を卒業、すでに2006年
山川恵里佳主演作や、2007年に宝生舞主演作なども手掛け、
本作が3作目の西川文恵。原案と編集も担当して2009年に完
成された本作では、シカゴ国際児童映画祭の準グランプリな
ども受賞している。
出演は、何れも1993年生まれの大場はるか、普天間みさき、
梅本静香、さらに1996年生まれの上杉まゆみと1995年生まれ
の山中知恵。撮影時はローティーンの少女たちが溌溂とした
ダンスや演技を見せてくれる。
他に、2010年8月紹介『名前のない女たち』などの渡辺真起
子、元ミス日本の天川紗織らが脇を固めている。
なお本作は長く日本での公開が決まらなかったが、ようやく
映画の舞台となった新潟県で先行公開と、7月23日から東京
ポレポレ東中野での公開が決定した。そういう事情なので、
東京では団体鑑賞など支援の要望もあるようだ。
音楽が中心にある作品で、上映時間も88分では子供にも飽き
させないし、特に小中学生や青少年には安心して勧められる
作品といえる。子供会などでの団体鑑賞もお勧めしたいとこ
ろだ。
ただし、小学生料金は団体より安いのだそうで、ここは小学
生向けの団体料金も設定して置いて欲しかったところだ。
また、ポレポレ東中野では夏場の電力事情を考慮して13:00
〜16:00の上映を中止。替りに朝8:50からの超モーニングシ
ョウを7月9日から8月19日まで連日実施するとのことで、
本作もその上映なら大人900円で観られるそうだ。

『幸せのパズル』“Rompecabezas”
1箱のジグソウパズルが専業主婦だった女性の人生を変えて
行く? そんなちょっとメルヘンチックな南米・アルゼンチ
ンの映画。
主人公はブエノスアイレスに暮らす専業主婦の女性。50歳の
誕生日を迎えて親族が集まってくれたが、自分のためのパー
ティだというのに料理を出したりケーキを作ったりで休んで
いる暇もない。
それでも漸くロウソクの火を吹き消し、皆が帰った後にほっ
として開けてみたプレゼントはジグソウパズルの箱だった。
今まではそんなものには興味のなかった主人公だったが、ふ
と開けたパズルの素晴らしさに彼女は魅了される。
長く続いている夫との生活には満足しているしその愛情も感
じている。でも成長した2人の息子は独立したがっていて、
老後のためを考えていた郊外の土地は息子の独立資金に消え

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06月26日(日)
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