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On the Production
by 井口健二
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■男子高校演劇、ムカデ人間、シャンハイ、アイ・アム bS、ツリー・オブ・ライフ、ペーパー・バード、親愛なる…、ふゆの獣+The Hobbit
主人公の周囲で起きる異状現象は頻度を増し、ナンバー1〜
3を抹殺した男たちが町に現れる。
映画は、ピタカス・ロア原作の“The Lorien Legacies”と
題されたシリーズの第1巻に基づくもので、原作のシリーズ
ではすでに“The Power of Six”という第2巻が、今年8月
23日に発行予定と発表されている。
物語は、超能力者ものということになるが、展開は学園が舞
台になるなど典型的なヤングアダルト向け。しかも主人公の
超能力もまだ開発途中ということでは、これからいろいろな
展開ができそうだ。
因に原作者名は、ジェームズ・フライとジョビー・ヒューズ
という2人の作家の共同ペンネームとなっているが、同時に
Lorien世界の支配者の名前でもあるようだ。
出演は、2007年『アレックス・ライダー』などのアレックス
・ペティファー、2009年12月紹介『パーフェクト・ゲッタウ
ェイ』などのティモシー・オリファント、それに2010年7月
紹介『魔法使いの弟子』などのテリーサ・パーマー。
他に、2010年11月紹介『バーレスク』などのダイアナ・アグ
ロン、1995年オーストラリア生まれのカラン・マコーリフ、
2010年『ラブリー・ボーン』などのジェイク・アベルらが脇
を固めている。
『ツリー・オブ・ライフ』“The Tree of Life”
今年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールに輝いた
作品。1998年『シン・レッド・ライン』でベルリン・金熊賞
を受賞しているテレンス・マリック監督が、三大映画祭での
2つ目の最高賞を制した。
因にマリック監督は、1978年『天国の日々』でカンヌ監督賞
を受賞しているが、1973年のデビュー作『地獄の逃避行』と
2006年2月紹介『ニュー・ワールド』と併せて長編の監督作
品は5本目。寡作で知られるが、すでに次回作の準備は進ん
でいるようだ。
その今年の受賞作は、1950年代のテキサスを舞台にした厳格
な父親の下で育てられた少年の物語。その父親は口答えは勿
論のこと、庭の手入れやドアの閉め方まで一々息子を指導す
る。そんな少年の避難所は母親の腕の中だったが…
父親は大きな製油工場で働いているらしいが、地位はそれほ
ど高くないようだ。その旁で発明などもして一攫千金を狙っ
ているらしいが、必ずしも上手くは行っていないらしい。そ
んな欝憤も息子に辛く当ってしまう原因かも知れない。
そして少年には2人の弟がいて、3人兄弟の遊ぶ姿なども描
かれ、大人なら誰しもが感じる甘酸っぱい思い出のような世
界が展開されて行く。特に、今の時代の父親ならちょっと複
雑な気分もさせられるかも知れない。
出演は、厳格な父親役にブラッド・ピットと、少年の成長し
た姿を演じるのはショーン・ペン、2大スターの共演に、母
親役は新星ジェシカ・チャスティン。さらに子供たちにはハ
ンター・マクラケン、ララミー・エップラー、タイ・シェリ
ダン。また祖母の役で『ハリー・ポッター』シリーズで叔母
さん役のフィオナ・ショウが出演している。
という上映時間2時間18分の堂々としたアメリカの家族を描
いた作品だが、物語の全体はペン扮する現代の男性がその記
憶を辿るような形式を取っており、さらにそこに、宇宙の誕
生から生物の進化までの壮大な物語が描かれている。しかも
そのVFXコンサルタントとして、ダグラス・トランブルが
招かれているという作品だ。
届いた試写状を観たときに、僕には何か見覚えがあるような
親しみが感じられた。それが、エンドクレジットでトランブ
ルの名前を観たときにすべて納得できた感じがした。つまり
この作品は、マリック監督の『2001年宇宙の旅』なのだ。
そしてマリック監督は本作で、スタンリー・クーブリックが
『2001年…』で描かなかった人の営みを描いている。それは
マリックからクーブリックへの回答のようにも感じられた。
因に試写状の写真からは「宇宙の胎児」を想起したものだ。
『2001年…』と同様に難解な作品というレッテルが張られる
ことは必至の作品。しかもそこに添えられたヴィジュアルの
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06月05日(日)
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