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On the Production
by 井口健二
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■乱反射/スノーフレーク、ロシアン・ルーレット、ハンナ、M・ソー、メタルヘッド、鯨とり、ハングオーバー!!、青空どろぼう+Oz,The Great
ムジョルニアを取り上げた上、地球に追放してしまう。
斯くして「ビフレストの橋」から地球に落とされたソーは、
地球でウァームホールを研究する女性物理学者ジェーン・フ
ォスターと出会い、徐々に「おれ様」な性格も直って行くの
だが…、そこに巨人国の軍勢が襲い掛かってくる。
出演は、ソー役に2009年『スター・トレック』でカーク船長
の父親を演じたクリス・ヘムスワース、オーディンにアンソ
ニー・ホプキンス、そしてジェーンにはナタリー・ポートマ
ンが扮している。
他にロンドン出身の舞台俳優で数多くの新人賞などを受賞し
ているというトム・ヒデルストン、2002年10月紹介『ショウ
・タイム』などのレネ・ルッソ、スウェーデン出身で2009年
『天使と悪魔』などに出演のステラン・スカルスガルド。
さらに、2007年アカデミー賞外国語映画部門にノミネートさ
れた『モンゴル』に主演の日本人俳優浅野忠信。因に浅野の
役柄は彼のキャリアからすると役不足だが、ハリウッド進出
の第一歩としては順当だろう。
監督はケネス・ブラナー。シェークスピアも得意なイギリス
演劇界の重鎮と、マーヴェルヒーローの組み合わせは奇異に
も感じるが、物語の根底にあるのは北欧神話だから、それは
絶妙な取り合わせだ。
CGIで描かれた神々の国と、ニューメキシコで撮影された
実写の地球の風景、その対比も鮮やかだし、後半は西部劇を
思わせる対決シーンもVFXを併用して見事に映像化されて
いた。
なお、マーヴェル作品の常としてエンディングロールの後に
一齣あるので、最後まで席は立たないように。
『メタルヘッド』“Hesher”
前回紹介の『水曜日のエミリア』に続いてナタリー・ポート
マン製作総指揮・出演による作品で、ハリウッドが今最も注
目していると言われる映像作家スペンサー・サッサーによる
脚本・監督の長編第1作。
物語の始まりは、レッカー車で運ばれる片側が大きくひしゃ
げた赤い乗用車を自転車で懸命に追い掛けている少年。そし
てその車を引き取った業者に必死に交渉するが、車を取り戻
すことは出来ない。
その帰り道、少年は住宅団地の建設現場で窓に石を投げ、中
にいた長髪の男に取り押さえられる。しかしそこは何とか脱
出した少年だったが、その長髪の男は執拗に少年を追い、遂
には少年が暮らす祖母の家に入り込んでくる。
その家には、祖母と少年と少年の父親が暮らしていたが、父
親はふ抜けたようになっており、祖母もそんな息子を見離し
かけていた。そんな家に入り込んだ長髪の男は、大音量でヘ
ヴィメタを演奏し、テレビのチャンネルも勝手にいじり始め
るが…
実は、一家の母親が2カ月前に交通事故で亡くなり、以来、
一家の生活は今のような状況になってしまっていた。そんな
家に入り込んだ男はどんな作用を一家に及ぼすのか。さらに
少年が憧れる女性も絡んで物語は進んで行く。
出演は、少年役に2008年2月紹介『告発のとき』などのデヴ
ィン・ブロシュー、父親役に2005年4月紹介『サハラ』など
のレイン・ウィルスン、長髪の男役に2010年7月紹介『イン
セプション』などのジョセフ・ゴードン=レヴィット。
さらに少年の憧れの女性役をナタリー・ポートマン、そして
祖母役を、1976年『キャリー』などのパイパー・ローリーが
演じている。
かなり荒っぽい部分もある話だし、アメリカでは昨年のサン
ダンス映画祭で絶賛されながら公開は今年まで持ち越されて
いる。そんな微妙なところもある作品だが、これもポートマ
ンの勢いで一気に行けるかな。
なお挿入楽曲には人気ヘヴィメタ・バンドの「メタリカ」が
5曲を提供するなど、こちらも注目されそうだ。因に撮影は
REDカメラで行われていたようだ。
『鯨とり−ナドヤカンダ−』“고래사냥”
前回紹介した『風吹く良き日』と同様、アン・ソンギ主演に
よる1980年代の韓国映画ニューウェーブの1本。なお本作は
1984年に日本公開されているが、今回はニュープリントで再
公開される。
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05月29日(日)
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