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On the Production
by 井口健二
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■ロサンゼルス決戦、奇跡、それでも花は咲いていく、昼間から呑む、ポールダンシングボーイ★ず+ニュース
関ってくる。
これらの物語が、それぞれ2010年2月紹介『獄に咲く花』な
どの仁科貴、10月紹介『酔いがさめたら、うちに帰ろう』な
どの滝藤賢一、2008年6月紹介『能登の花ヨメ』などの平山
浩行の主演で描かれる。
共演は、南野陽子、冨家規政、小木茂光、カンニング竹山、
麻生祐未、池永亜美、藤本七海、佐藤二朗、ダンカン、酒井
敏也ら。
原作・脚本・監督の前田は自らゲイをカミングアウトしてお
り、本作では自らも体験しているセクシャル・マイノリティ
について描きたかったそうだ。その点では判りやすく描かれ
ているし、上にも書いたように男性には共感も得られるもの
になっている。
ただ、この共感を女性の観客にまで広げられるかどうか、観
れば女性にも理解して貰える作品だとは思うが…。男性を理
解するために、ぜひ女性にも観て貰いたい作品だ。

『昼間から呑む』“낮술”
火曜日に行われる予定の試写会が震災の影響で中止となり、
替りにサンプルDVDを手渡された。従って後日スクリーン
で観直す可能性もあるが、取り敢えず今回はDVD鑑賞での
感想を書かせて貰うことにします。
映画監督になりたくてシナリオ公募に何度も応募したが果た
せず、1000万ウォン(19日の為替レートで約71万円)の製作
費で自主製作したという作品。監督自身の実体験に基づく酒
と女に纏わる話が展開される。
若者4人が居酒屋で酒を酌み交わしている。その内の1人が
最近女と別れ、それを慰めているようだ。やがて別の1人が
旅行に行こうと言い出し、善は急げとばかりに翌日の決行を
決めてしまう。そして傷心の若者は先に帰宅して翌日現地に
赴くのだが…
辿り着いた雪模様の駅に他の3人の姿はない。そこで1人に
連絡すると3人は前日の深酒が醒めておらず、さらに仕事で
その日は来れないという。しかしそのまま帰ろうとした主人
公は、「先輩のペンションに連絡したからそこで待て」と説
得されてしまう。
こうして見知らぬ町での、しかも雪模様の中での主人公の彷
徨が始まることになる。そこには題名の通り昼間から呑む酒
と女が関ってくるのだが、これがかなりシュールな展開にな
って行く。
何しろ主人公は運が良いのか悪いのか、取り敢えず酒と女が
次から次に登場する。しかも主人公は酒が強いらしく、出来
事には比較的冷静に対処して行くのだが、それでもトラブル
の種は尽きないものだ。
宣伝コピーには「爆笑ロードムービー」とあるが、自分も酒
を嗜む人間としては、ここまでされるのは願い下げといった
感じの物語が進んで行く。それが傍目には可笑しい訳だが、
僕としては自戒の念も持って観ていた感じの作品だ。
監督のノ・ヨンソクは中学生時代にアニメに魅了され、大学
では陶芸を専攻するが卒業後は音楽にのめり込み、さらに映
画監督の夢を実現させたという。従って本作でも監督・脚本
だけでなく、撮影・編集・美術・音楽、そして声の出演まで
1人でこなしているものだ。
しかし監督は、「本作は皆の力で作った」と強調している。
実際に映画に出演している女優のイ・ラニはスクリプターや
助監督も務め、彼女の夫のシン・ワンソプも出演者だ。他に
主演はインターネットで発見したというソン・サムドン。共
演にキム・ガンヒ。
映画は製作費削減のためシーンを極力照明のいらない昼間に
設定するなどの工夫も凝らされている。映画の題名がその精
神も表わしているようだ。それと、物語の結末に希望がある
のも良い感じだった。

『ポールダンシングボーイ★ず』
2008年11月紹介『プライド』などの金子修介監督による最新
作。
『フルモンティ』の男性ストリップや、『ウォーター・ボー
イズ』の男子シンクロナイズド・スイミングなど、まあこの
手の作品はいろいろあるが、今度は男子のポールダンスと来
たものだ。
しかも背景は昨今のお笑いブーム。漫才スクールの生徒募集
に応募して大金を振り込み、いざその教室に来てみると、そ
こはポールダンスの教室だった…という詐欺に引っ掛かった

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03月20日(日)
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