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On the Production
by 井口健二
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■ピュ〜ぴる、シリアスマン、お家をさがそう、ランウェイ☆ビート、ヨギ&ブーブー、四つのいのち、ブラック・スワン+ニュース
転校生が天才的なファッションデザイナーで、そこにはちょ
っとした挫折もあるけれど、結局はうまく行って、そして主
人公たちの未来が開けて行く。同じ原作者の以前に紹介した
映画もそうだったけれど、そんな夢物語が描かれる。
それはまあ、大人の眼からすると甘々の話ではあるけれど、
家族や級友や街の人々なども巻き込んで夢のようなことを成
就する。これもまあファンタシーなのかな。魔法の出てこな
い『ハリー・ポッター』というところなのかも知れない。
出演は、昨年6月紹介『最後の忠臣蔵』の桜庭みなみ、若手
演劇集団D-BOYSの瀬戸康史、モデル出身の桐谷美玲、2009年
7月紹介『TAJOMARU』などに出演の田中圭、二世タレントの
IMALU。
他に、吉瀬美智子、RIKACO、田辺誠一、中村敦夫。さらに西
岡徳馬、いとうまい子、七瀬なつみ、菅田俊、つみきみほ、
風間トオルらが脇を固めている。
なお『NANA』の監督は、今年正月のヴァラエティ番組で
飛んでもない演出を行って見事に名う手の出演者たちを騙し
ていたが、今回の作品では何とか真面な演出が出来ていたよ
うだ。
『ヨギ&ブーブー/わんぱく大作戦』“Yogi Bear”
ハナ=バーベラの往年の名作アニメーション『クマゴロー』
を、3Dの実写とCGIキャラクターで映画化した作品。
子供の頃に『珍犬ハックル』と共に楽しんだ往年のアニメー
ションが3Dで帰ってきた。お話は昔の通りキャンプ客のお
弁当を狙うクマと、それを阻止せんとする公園レンジャーと
の攻防を描くものだが、本作ではさらにいろいろな味付けが
されている。
それは自治体の抱える赤字の問題や、さらに森林破壊や自然
保護の問題など、実に現代を描いているものだが、それらを
本来の観客である子供にも判りやすく、その一方で大人の眼
にも納得できるように巧みに描いているものだ。
そこにはオリジナルでは犬猿の仲だったレンジャー隊長との
共同作戦など、一歩踏み出した新たな展開も描かれていた。
それが往年のファンにどう受け取られるかが多少の不安材料
だが、全体の雰囲気はアニメーションの味を良く受け継いで
いる感じがした。
特に、ヨギベア(クマゴロー)が繰り出すいろいろな作戦や
珍発明が、実写の画面で見事に映像化されている点には感心
した。さらにアニメーションさながらのアクションシーンも
ふんだんに登場する。
実は、先に発表されたアカデミー賞長編アニメーション部門
の予備候補に本作が入らなかったことが話題になって、アニ
メーションとしてどうなのか心配したが、本作を観て納得。
これは正に実写版の映画化で、そこにアニメーションの主人
公が登場する作品だ。
つまり単純に本作はアニメーション作品ではなかったもの。
しかもその実写シーンの撮影には、ジェームズ・キャメロン
製作によるフュージョン3Dカメラが使用されており、ロケ
地ニュージーランドの大自然の景観が本物の3Dで観られる
ものだ。
監督は、元ILM所属で『キャプテンEO』などを手掛け、
2008年8月紹介『センター・オブ・ジ・アース』(ディジタ
ル3Dでは初の実写作品)で長編映画監督デビューを果した
エリック・ブレビグの第2作となっている。
アメリカ版の声優は、ヨギ役が『ゴーストバスターズ』など
のダン・エイクロイドと、ブーブー役は昨年10月紹介『ソー
シャル・ネットワーク』にも出ていたジャスティン・ティン
バーレイクが担当。
他に2003年『ロスト・イン・トランスレーション』や『最終
絶叫計画』シリーズなどのアンナ・ファリス、テレビやイン
ディペンデンス映画で活躍のトム・キャバナー、2008年『ク
ローバーフィールド』などのT・J・ミラーらが実写で出演
している。
ただし日本公開は吹き替え版になるようで、そのヨギ役は茶
風林、ブーブー役には林勇、その他もベテランの声優たちが
担当しているようだ。またテレビ放送時のクマゴローを担当
した滝口順平が巻頭のナレーションで懐かしい声を聞かせて
くれている。
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01月23日(日)
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