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On the Production
by 井口健二
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■RED、男たちの挽歌、トロン:レガシー、ウルトラマンゼロ、学校をつくろう、わが心の歌舞伎座、KG+ニュース
『ウルトラマンゼロTHE MOVIE 超決戦!べリアル銀河帝国』
昨年11月に紹介した『大怪獣バトル/ウルトラ銀河伝説THE
MOVIE』に続くウルトラマンシリーズの最新作。
物語は、強大な勢力の敵に襲われている惑星から始まる。そ
こは大きな資源を持つ豊かな星だったが、突如襲ってきた敵
の前にはなす術もなかった。だがその危機の星から1人の王
女が鏡の巨人の助けで辛くも脱出に成功する。
一方、ウルトラマンたちの光の国にも謎の強敵が現れ、撃退
はしたものの大きな被害を受ける。そして敵の残骸からその
本拠が別宇宙にあると判るのだが、その別宇宙に向かうには
ウルトラマンたち全員の力を集めても1人を送り込むのが限
界だった。
その使命にウルトラセブンの息子で前作に初登場した新ウル
トラヒーローのウルトラマンゼロが志願。その腕にはもしも
の時のためのエネルギーと帰りの道標となるブレスレットが
装着され、ゼロは別宇宙に向かうことになる。
こうして別宇宙に到着したゼロは、いきなり敵に襲われてい
る惑星に遭遇し、そこで瀕死の重傷を負った若者を助けるた
めその身体に乗り移る。そしてその若者の姿を借り、時には
ブレスレットの力でウルトラマンに変身して敵と戦って行く
が…
やがてその敵は、これも前作に初登場した悪のウルトラマン
・ベリアルと判り、ゼロはその別宇宙を守ってきた炎の巨人
や鏡の巨人、それにメカの巨人ら共に宿命の対決に挑んで行
くことになる。
前作は、過去シリーズに登場したウルトラマン及びウルトラ
怪獣の総登場というコンセプトだったが、今回はさらに『ミ
ラーマン』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』という円
谷プロ製作の他のシリーズの巨人たちも結集する作品になっ
ていたようだ。
しかもその活躍の舞台を別宇宙に設定した辺りは、それなり
のアイデアと言える。ただ物語の展開で、ゼロがその世界か
らの退路を絶つか否かにはそれなりの葛藤があるはずで、そ
の辺をもう少し明確に描いて欲しかった感じはした。
それは多分そのための伏線も用意されていたと思うのだが、
その設定などが活かし切れていない感じがしたものだ。特に
ゼロのエネルギー補給に関しては重要なテーマでもあるし、
もう少し何かドラマがあっても良さそうな感じもした。
出演は、2009年8月紹介『大洗に星はふるなり』などの小柳
友、テレビ『竜馬伝』で竜馬の幼い頃とその姉を演じていた
という濱田龍臣と土屋太鳳。他にきたろう、ベンガル、平泉
成らが出演。
また、声の出演では歴代のウルトラマンたちが勢揃いし、べ
リアルの声は前作に引き続き宮迫博之、ナレーションは石坂
浩二が担当している。脚本と監督はVFX出身のアベ・ユー
イチ。なお前作はワーナーが配給を担当したが、本作ではま
た松竹に戻ったようだ。
『学校をつくろう』
専修大学創立130周年記念映画と銘打たれた作品。明治13年
(1880年)専修大学の前身である専修学校を開いた相馬永胤
らの開校に至るまでの活動が描かれる。
明治4年、彦根藩士の相馬は大阪陸軍兵学校を目指すが、痔
持ちのために不合格に終る。そこで薩摩の西郷隆盛を訪ねた
相馬は、日本の将来のため若者は外国に行くべしと諭され、
彦根藩の藩費留学生として英語もできぬまま渡米する。
そしてそこでも士官学校を目指すが外国人の入学は認められ
ないと断られ、兵法が駄目なら法律か経済を学ぼうと決意。
ところが猛勉強の結果成績は優秀なるも目を煩い、途中から
官費に切り替えられた留学の学費を断切られてしまう。
それでも彦根藩井伊家の支援なども受けて頑張り通した相馬
はコロムビア大学に進学。そこで生涯の盟友たちとの出会い
を果たす。やがて相馬らはアメリカで「日本法律会社」を設
立。不平等条約に苦しむ日本を救うために法律家を育てるこ
とを目標とする。
そして帰国後はアメリカで得た資格を基に弁護士(代弁人)
事務所を開き、外国人との係争に対する日本人顧客への支援
を行う傍ら、日本人に日本語で法律や経済を教える専修学校
の設立に邁進する。
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12月12日(日)
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