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On the Production
by 井口健二
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■180°South、シモン・ボッカネグラ、ジャンデック、バーレスク、アンチクライスト、エリックを探して、Pure+製作ニュース
謎だったらしいのだが、実はこの記事を書くに当ってウェブ
で検索をしたら、このドキュメンタリーが発表された翌年か
らLive活動を始めている。
実際Jandekのレコードのみを販売するCorwood Industriesの
ディスコグラフィによると、2005年には2004年にグラスゴウ
のフェスに参加したときの模様がDVDと共に発売されてお
り、その後も年に1、2回の出演を果たしているようだ。
つまりここでJandekには何か心境の変化があったようなのだ
が、それがこのドキュメンタリーの結果なのか、それともこ
の作品自体が見事なプロモーションだったのか?それらも全
て謎のものだ。
なお本作も、前回紹介したTOKYO MXテレビで放送中の「未公
開映画を観るTV」からのもので、その中から9本が東京は
12月25日から順次劇場公開される内の1本となっている。
因にもう1本、『ビーイング・ボーン』という作品の試写も
あったが、スケジュールの都合で観られないことになった。
ここに書かないからと言って、その作品を気に入らなかった
ものではないのでご了承ください。

『バーレスク』“Burlesque”
すでに10月末に45分のフッテージで紹介している作品の全編
が上映された。それで、映画初主演の歌姫クリスティーナ・
アギレラの圧倒的な歌唱については、すでに前回も確認済み
だったが、今回はそこに至る事情やその他の物語の全貌が明
らかになったものだ。
その物語は、普通に言えばシンデレラストーリーだが、いろ
いろ現代的な要素も踏まえられており、特に解決策は、以前
だったら全く考えも及ばないというか、有り得なかったであ
ろう展開。でもこれが現代では通用するというのも面白い捻
りだった。
また、映画はほとんど全編が歌によって綴られており、その
構成は見事なもの。特に巻頭でアギレラ扮する主人公のアリ
が故郷を旅立つまでの様子は、映画の導入としても完璧と言
って良いくらいのものになっている。
さらに途中には台詞のみのシーンもあるのだが、その間にも
音楽は流れていなくても常に音楽を聴いているようなリズム
感があり、その感覚が途切れない。今までミュージカル映画
も数多く観てきたが、その中でもここまでの感覚は少なかっ
たように感じた。
脚本と監督は、俳優として1985年の『グーニーズ』や1988年
の『告発の行方』などにも出ていたというスティーヴン・ア
ンティン。その後に製作や脚本に転じて、本格的な映画の監
督は初とのことだが、以前にライヴショウの脚本を手掛けた
という経験も踏まえて見事な作品を作り上げている。因に製
作準備には数年が費やされているそうだ。
なお使用されている楽曲には、クリスティーナ・アギレラが
新たに書き下ろした作品なども含まれているが、マドンナな
ど既存の曲も多数使用されており、それが物語の展開にも巧
みに利用されている。
また前回紹介した以外の出演者では、主人公に関わるジャッ
ク役にTVで『The OC』などに出演のカム・ジガンデー。彼
は同じくソニー配給のSF作品『パンドラム』にも出演して
いたが、この作品は何故か試写が行われなかったので紹介で
きなかったものだ。
この他に最近のソニー作品では、ロベルト・ロドリゲス監督
の『マチェーテ』の試写も観られなかったが、この2作とも
SF/ファンタシー映画ファンには気になる作品。どちらも
劇場で観て、紹介できなかったことを悔しく思ったものだ。

『アンチクライスト』“Antichrist”
2003年12月紹介『ドッグヴィル』、2006年1月紹介『マンダ
レイ』などのラース・フォン=トリアー監督による2009年の
最新作。同年のカンヌ国際映画祭に出品されて主演のシャル
ロット・ゲンズブールが最優秀女優賞を獲得している。
題名からは宗教的なものを想像せざるを得ないが、恐らくキ
リスト教により詳しければ、より奥のものが観えてくる作品
なのだろう。しかしそれほど詳しくない僕でも、中で暗喩さ
れた事象はいくつも感じられたものだ。
例えば章立てされた映画の第4章のタイトル「3人の乞食」

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11月28日(日)
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