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On the Production
by 井口健二
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■第23回東京国際映画祭<コンペティション以外>
を受賞した作品。ロバート・ハリスの原作から、前首相の自
伝のゴーストライターになった男が巻き込まれる世界的陰謀
が描かれる。主演はユアン・マクレガーで、これは文句なし
のサスペンスドラマが展開されていた。
『ハンズ・アップ』“Les mains en l'air”(フランス映画)
舞台は2009年のパリ。チェチェン紛争を逃れて不法入国した
一家の少女と、彼女の国外退去を阻止するため立ち上がった
級友たちの活躍を描く。ただし物語は、少女と級友の少年が
老後になった後の思い出話になっており、その背景は2067年
という設定。それがちょっと不思議な感じもした作品だ。
『ジャック、舟に乗る』“Jack Gose Boating”
(アメリカ映画)
オスカー受賞俳優のフィリップ・セイモア・ホフマンが初監
督・主演した作品で、中年を過ぎた男性が女性の恋心を捕ら
えようとして必死に頑張る姿が描かれる。演技も完璧だし、
演出も問題ない、でも日本公開はなかなか難しいようで、こ
ういう作品が観られるのも映画祭の魅力だ。
『神々と男たち』“Des hommes et des dieux”
(フランス映画)
1996年に起きた実際の事件に基づく作品。舞台はアルジェリ
アの山岳地帯に設けられたキリスト教の修道院。そこは医師
もいて近隣の村人たちの拠所だった。しかしそこにイスラム
教徒のゲリラが現れる。修道僧たちは教会を捨て帰国するべ
きなのか、彼らの信仰が試される。重厚で敬虔な作品。
『素数たちの孤独』“La solitudine dei numeri primi”
(イタリア映画)
ちょっと異常な双子の妹を持つ少年と、両親と共にスキー場
で滑走を楽しむ少女。そんな2人がそれぞれにトラウマを持
ちながら成長する。そして少年は優秀な研究者となり、少女
は写真家となって行くが…。時間を超えた濃密な物語が展開
して行く作品だった。
『聖トニの誘惑』“Püha Tõnu kiusamine”
(エストニア・フィンランド・スウェーデン合作映画)
父親の葬儀に参列したビジネスマンの男が、帰路で犬を轢い
てしまったことから不条理な世界に放り込まれる。物語は、
初めに海に飛び込む乗用車の映像で始まり、全体的にそのよ
うなエピソードが連続する。それが何かの意味を持つのか判
断はできないが、不思議な感覚の作品だった。
『心の棘』“L'épine dans le coeur”(フランス映画)
2001年11月4日付紹介の『ヒューマンネイチュア』で同年の
東京国際映画祭コンペティションに参加したミシェル・ゴン
ドリー監督が、教師を引退した82歳の叔母の人生を検証した
ドキュメンタリー。最初は叔母と教え子の姿を追っていたカ
メラは、やがて家族の問題へとその視線を移して行く。
『ウィンターズ・ボーン』“Winter's Bone”
(アメリカ映画)
保釈中の父親が姿を晦ませ、保釈金代行業者から担保の家の
立ち退きが迫られる。しかし主人公の少女には幼い弟妹と体
の弱い母親がいて要求には応じられない。そこで少女は父親
の行方を追い始めるが、そこには闇の組織が立ちはだかって
いた。サンダンス映画祭のグランプリ受賞作で、今年の映画
祭では一番の見応えのある作品の1本だった。
《natural TIFF》
『ヴィック・ムニーズ/ごみアートの奇跡』“Waste Land”
(ブラジル・イギリス合作映画)
題名からは廃棄物から芸術を生み出す変態芸術家の話かと思
っていたら、全く違う感動的な作品だった。リオ郊外の世界
最大とも言われるゴミ集積場を舞台にしたドキュメンタリー
だが、そこでは見事な人間ドラマが展開されていた。
『四つのいのち』“Le quattro volte”
(イタリア・ドイツ・スイス合作映画)
南イタリアの山羊飼いの老人を始め4つの命の物語が展開さ
れる。昨年上映された『ボーダー』と同様に劇中の台詞はほ
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11月02日(火)
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