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On the Production
by 井口健二
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■サラエボ希望の街角、嘘つきみーくんと…、バスキアのすべて、ソーシャル・ネットワーク、極悪レミー、狼の時代/Date...+製作ニュース
その物語を、2008年3月紹介『ラスベガスをぶっとばせ』な
どのベン・メズリックの原作から1992年『ア・フュー・グッ
ド・メン』などのアーロン・ソーキンが脚色、2007年4月紹
介『ゾディアック』などのデイヴィッド・フィンチャー監督
が映画化している。
2003年10月、ハーヴァード大学の学生だったマークは、ガー
ルフレンドとの喧嘩をきっかけにインターネットを使ったあ
るサーヴィスの提供を思いつく。それは学生たちの交流を目
的としたオープンなSNSの構築だった。
しかしそのとき彼は、学内の名門クラブに所属する名士を親
に持つ学生から別のSNS構築の相談も受けていた。ところ
がその相談には耳を貸さなかったマークは、独自にSNSを
立上げてしまう。そしてそれは瞬く間に巨大な規模へと発展
するが…
それはやがて、莫大な損害賠償を請求される訴訟地獄へと彼
を陥れることにもなる。
映画は、この訴訟における交渉テーブルでの証言の模様など
を軸に「フェイスブック」が成功して行く様子や、その間に
マークが協力を求めたナップスターの創設者ショーン・パー
カーなどの姿も描いて行く。
物語は実話に基づくものだから、こんなにあれよあれよとい
う間に大成功を納めてしまうのも実話。その上、その間の主
人公の不適切な行動が彼自身に様々な禍をもたらす…それも
実話に基づいている。しかもそれがたった7年前に始まった
お話なのだ。
出演は、2006年9月紹介『イカとクジラ』などのジェシー・
アイゼンバーグ。その他には次期“Spider-Man”でピーター
・パーカー役に決ったアンドリュー・ガーフィールド、グラ
ミー賞受賞歌手でもあるジャスティン・ティンバーレイク。
それに、フィンチャー監督の次回作品“The Girl with the
Dragon Tattoo”に主演が決定しているルーニー・マーラら
が共演している。
現代が舞台で、魔法も特別な新発明も出てこないお話だが、
実にファンタスティックでわくわくしながら画面に見入って
しまう作品だった。いやあ、現代も実に面白いドラマが誕生
している世界だと再認識させられた。

『極悪レミー』“Lemmy”
1975年イギリスで結成されたハードロックバンド=モーター
ヘッドを今も牽引しているベーシストでリードヴォーカルの
レミー・キルミスターを追ったドキュメンタリー。
レミーが牽引するバンドは、結成当時にはそのヴィジュアル
や過激な歌詞の内容から「史上最悪のバンド」と評されたそ
うだ。その多くを担ったのがレミー本人ということで、本作
の邦題もそのように付けられている。
しかし本作に登場するレミーは、初っ端から「最も影響を受
けたロックバンド」としてビートルズを挙げるなど至極まと
もで、創られたイメージとのギャップを感じさせる。それは
還暦を過ぎた大人の処世術にも観えるが、実際に彼の音楽に
対する姿勢もそこにあるようだ。
それはまた、ベースをギターのように弾きこなす彼のテクニ
ックにも普通ではないものを感じるし、また息子に対する思
いを語るシーンなどには、「極悪」というレッテルとは異な
る1人の男性の姿が描かれていた。
正直に言って「極悪」というレッテルを気にしてこの映画を
観なかったら損することになりそうだ。この映画には還暦を
過ぎても見事にロックしている男が描かれている。しかもそ
こには、世間におもねることなく自ら貫いている男の姿も描
かれていた。
なお映画ファンには、以前から交流があったというビリー・
ボブ・ソーントンとの歓談のシーンが楽しめる。特にソーン
トンが語る『チョコレート』の出演料の話などは、興味深い
ものがあった。
その他、ロック・ミュージシャンからプロレスラーまで数多
くの証言者がレミーについて語るシーンも面白かった。
他に薬物に関する発言なども、いろいろ問題はあるが彼なり
の見識には基づいているようで、それはそれとして理解はし
てあげられるような感じもしたものだ。もっとも根本的な部
分が間違っているかとは思うが。

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10月17日(日)
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