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On the Production
by 井口健二
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■恋するナポリタン、グッドモーニング・プレジデント、君が踊る夏、仁寺洞スキャンダル+製作ニュース
他にミュージシャンのDAIGO、藤原竜也、本田博太郎、
宮崎美子、隆大介、高嶋政宏、高島礼子が脇を固めている。
監督は1996年『不法滞在』などの香月秀之。また本作に向け
て書き下ろしの主題歌を、東方神起が歌っている。
難病物の作品ではあるが、最初のコンセプトが満面の笑顔と
いうことで、映画はお涙頂戴に落としていない。僕はプレス
資料に書かれた映画製作の経緯を読んでいて目が潤んだもの
だが、映画がそうしなかったのは見事なものだ。
それにこの映画では、物語の中でのある約束が最後までしっ
かり守られていることにも感心した。映像を優先する作品で
は意外とこのような約束事が蔑ろにさせることが多いが、本
作はそうではなかった。この点もこの作品では気に入ったと
ころだ。
そしてそのクライマックスになるよさこい踊りでは、出演者
一同が見事なチームワークで踊って見せるのも素晴らしい仕
上がりになっている。因にこの踊りや、溝端、五十嵐が振る
纏の演技には、地元を代表するチームが指導に当っているそ
うだ。
それにしても、4月に紹介した『小さな命が呼ぶとき』のポ
ンペ病に続いての小児難病を扱った作品だが、自分の子育て
ではいろいろなことがあっても、このようなお子さんを抱え
た親たちに比べれば自分は幸運だったと言わざるを得ない。
今回の記事を書くために検索をしていたらいくつかのブログ
がヒットした。その中には、治療途中で更新が途切れている
ものもあったが、5月18日付の更新で退院から1ヶ月が過ぎ
て快調と書かれているものもあって嬉しくなった。
本作の基となった実話の少女の例では、8年目を迎えて今年
も踊りに参加するとのこと。医学の進歩でこの種の難病も克
服されつつあるようでもあるし、この子たちにはいつまでも
笑顔で踊り続けて欲しいものだ。
それからこの作品を観ていて、これが3Dだったらどうだろ
うかと考えてみた。物量面で適うはずのないハリウッド映画
を真似るのではなく、もっとシンプルにこのような祭りを写
した方が、3D効果も面白くなるのではないかとも思ってし
まったものだ。誰かそれは考えているのかな。

『仁寺洞スキャンダル』“인사동 스캔들”
韓国ソウルの骨董街・仁寺洞を舞台に、占領下で日本に持ち
去られたとされる骨董美術品を巡って、凄腕のバイヤーや闇
のシンジケート、そして絵画の修復師らが暗躍するサスペン
スドラマ。
主人公は、神の手を持つ男と呼ばれた絵画の修復師。しかし
彼は、以前に修復した朝鮮王朝期の水墨画家・安堅の「夢遊
桃源図」が、その後に日本に密輸されたことから、その首謀
者と疑われ、証拠不十分で訴追は受けなかったものの業界か
らは姿を消していた。
ところが、同じく安堅の作品で長く失われたと見られていた
「碧眼図」が京都で発見され、仁寺洞のバイヤーを通じて韓
国に帰還することが発表される。それは修復に成功すれば時
価数千億ウォン(1ウォン=0.08円)にもなるという貴重な
代物だった。
そしてバイヤーは、主人公をその修復師として契約、彼は復
活のチャンスを得るのだが…そこには、闇のシンジケートや
「夢遊桃源図」を所蔵する日本人コレクターなど、様々な人
物の思惑が絡んでいた。さらに以前の事件を立件できなかっ
た警察も動き出す。
主演は、2005年4月8紹介『マイ・リトル・ブライド』など
のキム・レウォン。現在兵役中の人気俳優がその前の最後の
作品に選んだものだそうだ。共演は、人気歌手でもあるオム
・ジョンファ、『グッドモーニング・プレジデント』にも出
ていたイム・ハリョン。
他に、2009年1月紹介『映画は映画だ』などのホン・スヒョ
ン、2002年3月紹介『友へ、チング』に出ていたキム・ジョ
ンテ、それに日本から1997年『HANA-BI』などの白竜らが出
演している。
脚本と監督は本作でデビューを飾ったパク・ヒゴン。それ以
前の経歴は不明だが、本作の脚本には3年の準備期間が掛け
られたとのこと。絵画修復の手順なども細かく再現され、さ

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05月23日(日)
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