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On the Production
by 井口健二
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■殺人犯、ウィンター・ソルジャー、大人になった夏、シーサイド・モーテル、ジョニー・マッド・ドッグ、ACACIA+製作ニュース
ルデイズ』という作品で評価の高い守屋健太郎監督と柿本流
脚本のコンビによる劇場用映画は第2作となる新作。
シーサイドとは名ばかりの山奥に建つ古びたモーテル(エン
ドクレジットには、撮影協力:御殿場市とあったから間違い
なく山間部だ)を舞台に、色々な思惑で宿泊する男女が織り
なすちょっと切ないアンサンブルドラマが描かれる。
このアンサンブル劇に、『人間失格』で映画初出演=初主演
を飾ったばかりのジャニーズJr.の生田斗真を始め、山田孝
之、玉山鉄二、成海璃子、古田新太、温水洋一、小島聖、麻
生久美子らが参集した。
その1つ目の部屋に泊まるのはインチキ化粧品を売るセール
スマン。その部屋に三十路目前の娼婦がやってくる。2つ目
の部屋に泊まるのはカップル。そこにやくざ風の2人組が借
金の取り立てにやってきて…
3つ目の部屋に泊まるのは小企業の社長とその夫人。社長は
夫人にエマニュエル夫人の格好をさせたりしているが、ED
の社長に夫人は欲求不満気味だ。そして4つ目の部屋には軽
薄そうな男とケバイ化粧の女が泊まっているが…
この4つの部屋でそれぞれ独立した話が進み始め、それらが
巧妙に絡み合って行く。しかもその絡み合いが、時間軸を前
後して描かれるのにも関わらず、見事に調和して描かれてい
たのには感心した。さすが評判の監督の作品という感じだ。
ただまあ、物語の中で登場人物が何人か死ぬのはちょっと退
いてしまう部分もあるもので、現実的にそう簡単に人は死な
ないと思うのだが、最近の若い人の作品では人の死を簡単に
描いてしまうのが気になるところだ。この作品もその傾向を
否めないものになっていた。
でもまあ、それなりのフォローはされているし、それがまた
ほろりとさせる物にもなっているから、その点ではこの監督
の手腕を認めなくてはならないところだろう。特にEDの社
長のエピソードは在来りだが良い感じだった。
後は、三十路前の娼婦のせりふが最後に活きてくるのも上手
く描かれていた。
『ジョニー・マッド・ドッグ』“Johnny Mad Dog”
ちょうど1年前にフランス映画祭関連で試写を観せて貰った
作品が一般公開されることになり、改めて試写が行われた。
なお作品の紹介は、2009年3月8日付をご覧ください。
『ACACIA』
昨年の東京国際映画祭でコンペティション部門に出品された
作品が一般公開されることになり、改めて試写が行われた。
なお作品の紹介は、2009年10月16日付をご覧ください。
* *
今回の製作ニュースは、ちょっと驚いたこの情報から。
ワーナー傘下で『ダークナイト』や『300』などの大作
アクション映画の製作を手掛けるプロダクションのレジェン
ダリー・ピクチャーズが、東宝怪獣映画の代表作『ゴジラ』
の再映画化権を獲得し、2012年の公開を目指して製作準備を
進めていることが発表された。
この計画では、レジェンダリーがワーナーとの共同製作で
リメイクを行うとしているもので、東宝との交渉は昨年の夏
ごろから進められていたとのことだ。監督は未定だが、近日
中の決定されるとのこと。また公開は3D及びIMAX-3Dで行
う計画との情報もある。
“Godzilla”のハリウッド・リメイクというと、1998年に
公開されたソニー製作、ローランド・エメリッヒ監督による
作品が先にあるが、日本のマニアの間では「あれはゴジラで
はない」という意見もあるもの。しかし以前にも書いたよう
にこの作品は、アメリカの国内だけで1億3630万ドル、アメ
リカを除く海外では2億4270万ドルの合計3億8900万ドルを
稼ぎ出す大ヒットを記録しているものなのだ。
という作品にハリウッドから再度の挑戦となるものだが、
製作発表と同時に報告されたレジェンダリー首脳のコメント
では、「この世界で最もパワフルな怪獣をレジェンダリーで
製作できることに興奮している。長年に渡ってファンを楽し
ませてきたこの怪獣を、我々自身がファンとして観たかった
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04月04日(日)
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