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On the Production
by 井口健二
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■クリスマス・キャロル/3D特別映像、風が強く吹いている、大菩薩峠、ドゥーニャとデイジー+製作ニュース他
悩みが生じる。
そしてデイジーは、同じくシングルマザーだった母親に、自
分を生んで後悔したか訊くのだが…。さらにデイジーには彼
女の幼い頃に家を出た父親がモロッコにいることが判り、彼
女はドゥーニャの家を訪ねて、2人はデイジーの父親を捜す
旅を始める。
この2人の主人公の配役は、テレビシリーズと同じマリアム
・ハッソーニとエヴァ・ヴァンダー・ウェイデーヴェン。因
に2人は共に1985年生まれ。テレビシリーズの頃は、正にそ
の年齢だったし、境遇も物語の通りだったようだ。
従って映画化では多少薹が立っている感じもしないではない
が、それなりに頑張って演じてはいるものだ。多分本国では
懐かしさも手伝っての評判になったことだろう。なお2人は
シリーズ後もそれぞれ主演を張るなど活躍しているようだ。
そして物語は、アムステルダムを振り出しにモロッコのカサ
ブランカやマラケシュ、さらに山岳地帯にまで広がって壮大
なロードムーヴィが描かれる。宗教的な背景など日本人には
判り難い部分もあるが、異国情緒たっぷり風景が物語をリー
ドしてくれる。
オランダからモロッコまで、小遣い銭程度しか持たずに移動
してしまえるなど、島国に住んでいる僕らには感覚的に理解
し辛いところもあるが、異文化の交流などは日本人もこれか
ら理解していかなければならないことだろうし、またメイン
になる若い2人の抱える悩みには、それなりに日本の若者に
共感を呼ぶ部分もありそうだ。
* *
今回の製作ニュースの最初は、上記の映画紹介の関連で、
特別映像を紹介した『Disney's クリスマス・キャロル』の
ロバート・ゼメキス監督から、1968年にビートルズの楽曲提
供と声優、それにエンディングの実写出演でも話題になった
アニメーション作品“Yellow Submarine”を3Dでリメイク
する計画が発表された。
計画を進めているのはディズニーで、同社とゼメキスは、
お得意のパフォーマンス・キャプチャーを使って3D映画化
を行い、2012年のロンドン・オリンピックに合せた公開を狙
っているとのことだ。この他にも両者は、ブロードウェイで
のミュージカル化やシルク・ド・ソレイユによる舞台化も検
討しているそうだ。
オリジナルは、ノーマン・マクラーレンらも所属したカナ
ダNFBの出身で、1964年ブレーク・エドワーズ監督の『暗
闇でどっきり』(A Shot in the Dark)のオープニングアニ
メーションも手掛けたとされるジョージ・ダニングの監督作
品。その物語は、サージェントペッパーが作り上げた海底の
パラダイス=ペッパーランドが危機に瀕し、それを救うため
に黄色い潜水艦に乗ったバンドマンたちが活躍するというも
の。そしてそのバンドマンの声優をビートルズが務め、彼ら
の楽曲も演奏されたものだ。
このオリジナルは1969年に日本でも公開され、同時に出版
されたピクチャーブックも話題となり、黄色い潜水艦のキャ
ラクターはその後も長く親しまれた。
その作品をパフォーマンス・キャプチャーということは、
かなり実写に近い映像でリメイクすることになると思われる
が、オリジナルのアニメーションの雰囲気をどこまで残すこ
とができるか、ゼメキス監督なら間違いはないと思うが、気
になるところだ。
因にゼメキスの発言によると、すでにオリジナルで演奏さ
れた16曲のビートルズの楽曲の使用権は契約しているとのこ
とで、その楽曲を残した形でのリメイクになるようだ。
* *
お次は新しい話題で、昨年11月に亡くなったベストセラー
作家マイクル・クライトンの遺作とされる作品の映画化権が
ドリームワークスと契約され、スティーヴン・スピルバーグ
の監督で製作される可能性が高まっている。
その作品は“Pirate Latitudes”と題されているもので、
1665年のジャマイカ、ポート・ロイヤルを舞台にした題名の
通りの海賊もの。詳しい内容は不明だが、当時の世界で最も
裕福な街と呼ばれた湊町を背景に、各国から散集する多数の
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08月30日(日)
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