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On the Production
by 井口健二
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■恐竜ランド、ホースメン、女の子ものがたり、孫文、南の国のフリムン、Elic Clapton & Jeff Beck Live、白日夢+製作ニュース
だから、この映画のような事があってもおかしくはないもの
だろう。そしてそれが、辛亥革命→国民政府の樹立へと繋が
って行くものだ。
出演は、1997年『宗家の三姉妹』でも孫文役を演じていた趙
文宣、2002年『THE EYE』などの李心潔。他に呉越、趙崢、
王建成らが共演している。監督は、過去には香港ニューウェ
ーブの旗手とも呼ばれた趙崇基。
巻頭、たどたどしい日本語の台詞で始まり、日本とも関係の
深い人物の物語ではあるが、やはり他所の国の歴史という感
覚は拭えない。それでも本作には、微妙な女性の心理や、暗
殺者との銃撃戦、クラシックカーのカーチェイスなど見所は
多く、2時間を越える上映時間を飽きさせなかった。
それに現マレーシア政府の協力も得て再現された20世紀初頭
のペナンの風景など、エキゾチックな雰囲気も味わえ、歴史
に関心がなくても楽しめる作品に思えた。

『南の国のフリムン』
お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリ監督主演によるゴリの
故郷沖縄を舞台にした作品。
物語は、ゴリ扮する地元でフリムンと呼ばれる男が主人公。
両親はすでに他界して隣家の叔父夫妻のやっかいになってい
るが、養豚場を経営する叔父と共にそれなりの生活はしてい
る。因にフリムンとは沖縄方言で「愛すべきおバカさん」と
いうような意味らしい。
そんな男がある日、米兵も集まるポールバーで花形ダンサー
に一目惚れしたことから面倒が起こり始める。そのダンサー
には屈強な米兵も目を付けていて、横柄な態度で周囲からも
鼻摘みの米兵にダンサーを賭けて自ら挑戦する羽目になって
しまったのだ。
そこに、叔父が以前に習っていたという沖縄空手の達人も登
場して、主人公が米兵に挑むまでの顛末が綴られて行く。
空手修業の模様には、現在リメイクが進められている1984年
『カラテキッド』のパクリのようなところもあるが、単純な
作業の繰り返しが思わぬ力を発揮するという展開が、オリジ
ナルとは異なる形で活かされているのは笑えたところだ。
その他にもいろいろな笑いのテクニックが随所に活かされて
いて、これでこそお笑い芸人の映画という感じもした。当然
恰好の良さなどは有り得ないが、それも芸人の作品というと
ころだろう。下ネタも多いけれどそれなりに納得できる範囲
には納まっていた。
共演は、元Folder5のAKINA、『ホテル・ハイビスカス』など
の照屋政雄、平良とみ、お笑いコンビ・ハムの諸見里大介、
ゴリの相方の川田広樹ら。他にもDA PUMPのメムバーや主題
歌も歌っている夏川りみの友情出演など、出演者は沖縄出身
者で固められている。
またナイジェリア出身のボビー・オロゴンが米兵役で出演の
他、トム・クルーズのそっくりさんが怪しげなパロディを繰
り広げるなど、細かな細工も仕込まれていた。
本作は吉本興行と角川映画の提携による映画製作の第2弾と
のことで、実は第1弾も観ているのだが、その作品は、監督
はしているが出演していない芸人の態度も気に喰わず、あま
り自分の好みには合わなかった。
そんな訳で今回も多少の不安は抱えながら観に行ったものだ
が、思いの他にしっかりと作られていて今回は気に入る作品
だったものだ。芸人はやはり自分のために作るのが本来の形
なのだろう。

“Live from Madison Square Garden”
“Jeff Beck: Live at Ronnie Scott's”
エリック・クラプトンとジェフ・ベック。1960年代のロック
バンドThe Yardbirdsの元メムバーだった2人のミュージシ
ャンのライヴを納めたコンサートムーヴィ。それぞれは90分
と100分の独立の作品だが、音楽は僕の専門でないし、試写
も2本まとめて行われたので一緒に紹介してしまおう。
この2人に、やはり元The Yardbirdsのジミー・ページを加
えた3人が世界3大ギタリストと呼ばれるそうだが、中でも
クラプトンのテクニックと、ベックのギターの可能性を極限
まで高めたと言われる演奏法は著名なもののようだ。
そんな2人のライヴの映像だが、まず1本目は、クラプトン

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07月19日(日)
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