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On the Production
by 井口健二
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■アバンチュールはパリで、2012(特別映像)、アニエスの浜辺、わたし出すわ、イメルダ、ウォッチャーズ、虫皇帝、プール
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『アバンチュールはパリで』“밤과 낮”
2000年東京国際映画祭(TIFF)で審査員特別賞を受けた『オ
ー!スジョン』(日本DVD発売名:スジョンの愛)などの
ホン・サンス監督による2008年の作品。
主人公は、韓国内で友人と一緒に違法なドラッグを試し、そ
の友人が逮捕されて彼の名前を自白したとの情報に慌てて飛
行機に飛び乗り、パリに来てしまったという男。そんな男の
パリでの行状が綴られる。
映画では上記の顛末が巻頭のテロップで紹介される。僕はそ
こで最早笑いのモードだったが、この作品はそんな雰囲気の
コメディだ。
因に主人公は国選という肩書きを持つ画家。それがどれほど
権威のものか知らないが、一応先生と呼ばれるものらしい。
ところが、何せ上記の状況だから、所持金もあまりないし、
韓国に残したままの妻とは国際電話でほぼ毎日泣きくれてい
るという有様。
そんな男が、パリで昔のガールフレンドに出会ったり、泊ま
っている民宿の主人に紹介された美学生の女子に観光案内を
してもらったり、そして出会った若い女性に恋心を募らせた
り…というお話が展開される。
サンス監督は、以前の作品でもシナリオは用意せずにその日
の思いつきのメモで撮って行くとのことだったが、今回もそ
うなのだろうか。物語は実に取り留めもなく進んで行く。し
かし最後まで話の筋が振れないのは、コンセプトがしっかり
頭に描けているということなのだろう。
ただしそのコンセプトは、男性にはかなり手厳しいものがあ
って、正直にはそこまで描かなくても…と思ってしまうとこ
ろもあるのだが、男の情けなさみたいなものは本当にうまく
描いてしまう監督と言えそうだ。
主人公の画家役は、1999年のアクション作品『ユリョン』な
どのキム・ヨンホ。共演は、テレビドラマの『チャングムの
誓い』などに出演のパク・ウネ、同じくテレビドラマ『ホジ
ュン』などのファン・スジョン。
なお、監督の2000年作品を観たときには、その大胆なセック
ス描写に本当に驚かされたものだ。その監督でこの題名は…
という気にもさせてくれるが、それは観てのお楽しみ。因に
本作の製作者は、2006年のTIFFに出品された『浜辺の女』と
同じ女性だそうだ。
『2012』(特別映像)
日本では今年11月21日に公開されるローランド・エメリッヒ
監督の新作について、その約15分間のフッテージが世界初お
披露目された。
この作品に関しては、2008年3月1日付第154回の記事など
でも紹介しているが、マヤ暦がこの年の年末に終っているこ
とから、その時に世界が滅亡するのではないかとする予言に
基づく物語とのことだ。
ここまでの情報は以前から知られていたものだが、今回の映
像のお披露目と共に行われた監督の記者会見によると、ジョ
ン・キューザックが扮する物語の主人公は離婚歴のある作家
で、その主人公が偶然に人類滅亡が事実であることを知って
しまう…という展開。
一方、アメリカ政府は密かにその災害から地球上の生物の種
を残すべく方策を考えているが、救える個体の数は限られて
いる。それを知った主人公は、自分の元妻と子供たちを救う
ために獅子奮迅の活動を開始するが…となって行くようだ。
この物語が、世界滅亡の大スペクタクル映像と共に描かれる
もので、お披露目されたのは主にそのスペクタクル映像だっ
たが、これが何ともエメリッヒらしい外連一杯に描かれたも
ので、次から次のその映像はかなり満足できた。
ただまあ、エメリッヒの作品は得てしてそのスペクタクルば
かりが強調されて、人間ドラマの多少弱いことが常に指摘さ
れるものだが、今回は元夫であり元父親の主人公が、自分が
失ったものを回復するために活躍するというもの。それは特
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07月26日(日)
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