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On the Production
by 井口健二
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■第178回
ーターゼンが監督したミヒャエル・エンデ原作による“Die
Unendliche Geschichte”(The NeverEnding Story)をリメ
イクする計画が、当時作品の世界配給を手掛けたワーナーか
ら発表された。
このオリジナルは日本では翌1985年3月16日に公開された
ものだが、これには個人的に少し思い出がある。というのも
僕はこの前月2月11日の休日にフジテレビ朝のワイドショウ
に出演して、小森和子さんと一緒に映画の解説をしているの
だ。これは春休み映画の特集ということだったが、メインは
この作品『ネバーエンディング・ストーリー』だった。
ところが生番組の途中でCMタイムになった時、並んで座
っていた小森さんから、突然「このお話ちょっと変よね」と
話し掛けられた。それで僕は「本当はもっと長い物語の途中
までの映画化ですから」と答えたら、「そうなの。通りで変
だと思ったのよ」という会話になった。
しかしCMが明けると小森さんは、「おばちゃまね。映画
に出てくるドラゴンの顔が、飼っている犬のココに似ている
から大好きなの」と話を続けられ、なるほどそういう風に話
すのだと教えられたものだ。多分僕自身の映画に対する態度
は、この時の小森さんに教えられたものだと思っている。
閑話休題。
因に、オリジナルは当時2000万ドルの稼ぎでヒットとして
はまあまあのものだったが、その後も長くホームヴィデオが
売れるなど影響は大きかったと伝えられている。特に最近の
『ハリー・ポッター』などの若年向けファンタシー映画の成
功は、このオリジナルがあるお陰だという説もあるようだ。
そして映画化は1990年と96年に続きが作られているが、興行
的にはじり貧となり、第3作はアメリカでは殆ど劇場公開も
されずにヴィデオ直行だったとのことだ。
その原作の再度の映画化が検討されているものだが、今回
は敢えて続きではなく、第1作からの置換えを狙っており、
リメイクが計画されているとのことだ。そのためワーナーで
は、新たに映画化権を設定して権利面のクリアも行ったとさ
れている。
物語は、この世界では苛められっ子の少年を主人公に、彼
が古本屋の店主の勧めで読んだ本の舞台ファンタージエンに
赴き、その危機を救う冒険が描かれる。そこには、空飛ぶ龍
や「幼ごころの君」と呼ばれる女王がいて、いろいろな冒険
が繰り広げられる。
そしてワーナーでは、今回の製作には『ベンジャミン・バ
トン』のケネディ/マーシャルとレオナルド・ディカプリオ
主宰のアピアン・ウェイを起用するとの発表も行っており、
かなり気合いの入ったリメイクになりそうだ。
オリジナルは、後付けされたジョルジオ・モロダーの音楽
なども話題になった作品だが、リメイク版はどのような戦略
で進められることになるのだろうか。
* *
次は、フィリップ・K・ディック原作「追憶売ります」を
基に、1990年アーノルド・シュワルツネッガー主演、ポール
・ヴァホーヴェン監督で映画化された“Total Recall”が、
当時の映画配給を手掛けたコロムビアでリメイクされること
になった。
オリジナルは『T2』なども手掛けたカロルコの製作で、
コロムビア傘下のトライスターが配給したものだが、当時全
世界で2億6100万ドルを稼いだとされている大ヒット作だ。
このため当時は当然の如く続編の計画も登場し、オリジナル
の脚本を手掛けたロナルド・シュセットが、ディックの別の
原作に基づくストーリーを提案、再度シュワルツネッガーの
主演で計画が進められたこともあったようだ。
ところが、このとき提案された別の原作というのが、実は
“Minority Report”だったのだそうで、結局この計画は実
現せずに、同原作からは2002年トム・クルーズ主演、スティ
ーヴン・スピルバーク監督による映画化が行われたものだ。
しかしその一方で続編の計画自体はしぶとく生き残り、一時
はディズニー傘下のミラマックスで進められたこともあった
が、この計画はワインスタイン兄弟の離脱で頓挫となってい
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03月01日(日)
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