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On the Production
by 井口健二
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■鴨川ホルモー、恋極星、チョコラ!、ヤッターマン、ピンクパンサー2、ニセ札
しかも、アニメのハチャメチャな展開とスケールを、できる
限りそのまま実写で再現しようとした努力は見事なもので、
巻頭の崩壊した「渋山」駅前の景観に始まって、実寸大に再
現された各種の造形など、本当によくやってくれたという感
じがした。
物語は、オリジナルシリーズと同様の4つのドクロストーン
を求めて、ヤッターマンと敵役ドロンボー一味との戦いを巡
るもの。またその1個をすでにドクロベエが持っていること
や、一味が最初に繰り出す巨大メカがダイドコロンなのは、
オリジナルの踏襲のようだ。
さらに物語では、冒険考古学者の海江田博士やその娘などが
登場して、全地球的な所狭しの冒険がVFXやワイアーアク
ションなどを駆使して壮大に展開される。そしてそこに挿入
されるギャグの展開も絶妙なものだった。
出演は、ヤッターマン1号に「嵐」の櫻井翔、同2号に『櫻
の園』の福田沙紀、海江田博士役に阿部サダヲ、娘役に岡本
杏理。一方、ドロンボー一味はドロンジョに深田恭子、ボヤ
ッキーに生瀬勝久、トンズラーにケンドーコバヤシ。さらに
山寺宏一、滝口順平らの声優も登場する。
前にも書いたが、この種の作品では如何に出演者が真面目に
役に取り組むかが大事なものだが、本作では、櫻井も福田も
ポーズをちゃんと決めるし、特に深田、生瀬、ケンドーが、
アニメそのままの踊りやアクションを再現しているのは素晴
らしかった。
脚本は、テレビの『こち亀』などを手掛けてきた十川誠志、
監督は三池崇史。多作の監督には当り外れの振れの大きさを
感じるが、今回は当りのように思う。それに何と言っても、
巨大なセットや造形からCGIまでのVFXが見事に納まっ
た作品だった。
『マッハ Go!Go!Go!』には退いてしまったアニメファンも、
今度は楽しんで貰えるかな?
『ピンクパンサー2』“The Pink Panther 2”
1960年代、70年代にピーター・セラーズの主演、ブレイク・
エドワーズの監督で人気のあったシリーズが、スティーヴ・
マーティンの主演を得て2006年に再開された本作は第2弾。
因に、オリジナルの題名表記は『ピンク・パンサー』で、新
シリーズは「・」が無いのだそうだ。
僕は昔のシリーズの何本かはテレビ放送などで観ているが、
実は新シリーズの第1作は配給会社の関係で観ていなくて、
今回が久しぶりのクルーゾーとの再会となった。
シリーズは基本的に一発ギャグのオンパレードのようなスタ
イルで、中にはどうかと思うものもあるが、全体的には気楽
に笑えるものだし、特に本作では謎解きの推理などにセンス
の良さも感じられた。
しかも、共演者にはジャン・レノ、エミリー・モーティマ、
リリー・トムリン、ジョン・クリースらが顔を揃え、また、
今回は各国代表の捜査官役で、アンディ・ガルシア、アルフ
レッド・モリーナ。さらに、インドからアイシュワリアー・
ラーイ・バッチャン、日本からは『硫黄島からの手紙』など
ハリウッド映画で活躍する松崎悠希が出演している。
ガルシア、モリーナに比べると日本人の配役がちょっと弱い
気がするが、こういう作品に真面目に出てくれないのが日本
人スターというところだ。
物語は、大英図書館のマグナカルタ、トリノの聖骸布、日本
は天叢雲剣が相次いで盗難に遭い、その現場にトルネードの
犯行を示すカードが置かれていたことに始まる。
トルネードとは、10年前まで犯行を重ね、突如姿を消した怪
盗の名前。その活動を再開した怪盗が次に狙うのはフランス
が誇る宝石ピンクパンサー。その前にパリ警察のクルーゾー
が立ちはだかる。
こうして、クルーゾーの頓珍漢な大活躍とそれに振り回され
る上司や各国の捜査官たちの珍騒動が展開される。と言って
も今回は、各国代表の捜査官も相当に曲者で、クルーゾーは
恥さらしから英雄までの見出しを乱高下することになる。
まあお気楽に楽しめれば良い作品だし、昔からのファンとし
ては、ケイトーは居ないが自宅アパルトマンでの空手騒動が
再現されているのも嬉しかった。
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02月14日(土)
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