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On the Production
by 井口健二
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■第175回
らの声優出演も発表されていて、SF/ファンタシー映画の
ファンにはニヤリとするところだ。
 物語は、太陽の中で暮らしていた光粒子の主人公が、太陽
から飛び出して大宇宙の存亡を掛けた戦いに巻き込まれて行
くというもの。其処には、オールドファンには懐かしいNA
SA関連のジェット推進研究所(JPL)で製作された往年
の宇宙探査のシミュレーションCGアニメーションもフィー
チャーされるようだ。
 脚本は、『スター・トレック:ボイジャー』なども手掛け
たことのあるハリー‘ドック’クロアーが執筆したもので、
彼は1996年からこの計画を構想していたとのこと。つまり、
『ボイジャー』当時からの構想だったというものだ。また本
作でクロアーは、『ライオンキング』などにも参加している
ダン・セントペリエーと共に監督にも挑戦している。
 製作は、台湾のディジマックスというアニメーション会社
が担当し、今年中にImax-3Dでの上映が開始された後、一般
映画館にも配給されるとのこと。日本の3D上映館も増えて
いるようだが、3D映像はできればImaxで観たいものだ。
        *         *
 2008年2月1日付の第152回で紹介したマリアド・ピクチ
ャーズとスタジオ407の提携第2弾として、これもホラー
コミックス原作による“The Night Projectionist”という
計画が発表されている。
 内容は、ハロウィン前夜の小さな町の映画館を舞台にした
もので、オールナイトのドラキュラ映画大会に映画ファンが
大集合。ところがその上映中に映画館には外から鍵を掛けら
れて観客は中に閉じ込められてしまう。しかもそこには本物
のヴァンパイアも紛れ込んでいて…というもの。原作のコミ
ックスは2月からミニシリーズで発行されるとのことだが、
この内容はホラ・コメかどうかも微妙なところだ。
 ただし、映画館が舞台のこの手の作品もいろいろあるが、
特にジャンルに詳しいマニアが集まっているとなると、いろ
いろ相手の裏をかくこともできそうだし、まともに作っても
お話は面白くなる。ヴァンパイアものはいろいろ仕来りも煩
いところだが、それを逆手に取る楽しさも期待したい。
 なお第152回で紹介した“Hybrid”に関しては、2004年に
シリーズ第3作となる“Cube Zero”を監督したアーニー・
バーバラッシュの起用が発表され、深海モンスターものとさ
れる作品の映画化は来年の撮影開始を目指すとのことだ。し
たがって普通に考えれば、第2弾とされる今回の映画化はそ
の後ということになるが、いきなりVFXの多用される作品
というのも厳しいところで、お手軽な作品を先に撮る可能性
はありそう。後は日本の配給会社が順調に決まることを祈り
たい。
        *         *
 もう1本はちょっと残念な情報で、2002年6月15日付第17
回などで紹介してきたオースン・スコット・カード原作によ
るヒューゴ・ネビュラ同時受賞作“Ender's Game”の映画化
が棚上げになってしまったようだ。
 この情報は、原作者のカードがシリーズ最新作の“Ender
in Exile”のプロモーションの席で発言したもので、それに
よると、当初は熱心の映画化を進めていたウォルフガング・
ペーターゼン監督はすでに監督の座を離れており、計画が再
始動する可能性は薄れたとのことだ。
 また、原作者自身が、現在のハリウッドで映画化するのは
難しいとも考えているようで、それは原作のテーマが単純な
アクション・ヒーローものではないこと、それに原作に描か
れる人間関係が、いわゆる映画で描かれるものとは異なって
いることなどがハリウッドに合っていなかったとしている。
 第17回の記事を書いた頃には、原作者と監督は相思相愛の
ようにも感じられたが、結局、そのペーターゼン監督の降板
が映画化を行き詰まらせることにもなったようで、これでは
仕方がないということになりそうだ。
 なお、原作のシリーズはすでに11作が発表されているが、
中には異なる視点による並行シリーズが含まれるなど、かな

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01月15日(木)
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