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On the Production
by 井口健二
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■第172回
取り敢えずデル=トロは製作、脚本、監督として関る計画と
されており、マカリーはその脚本と製作にも関ることになっ
ている。なお、製作会社は“Valkyrie”と同じくUAが担当
するもので、トム・クルーズ/ポーラ・ワグナーも製作者と
して名前が挙げられている。
 ただしマカリーはもう1本“The Monster of Florence”
という作品もUAで進めることになっている。この作品は、
1997年にペネロピー・アン・ミラー主演で映画化されたホラ
ー作品『レリック』などの原作者としても知られる作家ダグ
ラス・プレストンが、2000年にイタリアに移住して遭遇した
実話に基づく物語で、作家が1968−85年に起きた8つの殺人
事件が同じ殺人鬼の仕業だったことを調査証明して行く内、
もっと恐ろしい真実に突き当たるというもの。
 プレストンが発表した原作は、ニューヨーク・タイムズの
ベストセラーにも登場したとのことで、マカリーはその脚色
と製作も担当している。因に、Variety紙の報道ではこちら
の作品が先行で進められるようだ。
        *         *
 前回ジョー・ジョンストン監督の起用を紹介したマーヴェ
ル作品“The First Avenger: Captain America”について、
予想通り脚本家の追加発表が行われ、この脚本に『ナルニア
国物語』を担当したクリストファー・マーカスとスティーヴ
ン・マクフィリーの起用が報告された。
 この計画については、前回も紹介したようにザック・ペン
による脚色が進められていたものだが、『インクレディブル
・ハルク』が思い通りの成績にならなかったことが問題視さ
れた可能性は有りそうだ。とは言え、『ナルニア』も第2章
の成績はそれほど期待通りではなかったものだが、取り敢え
ず新しい血の導入が図られたということかもしれない。
 何れにしても、2011年5月の公開までには多少の時間的な
余裕は有りそうだし、じっくりと脚本を仕上げてもらいたい
ものだ。キャスティングの発表はまだのようだが、2011年の
マーヴェルは一気に攻勢を掛けてきそうな感じもするもの。
その中でのメイン作品としての期待も掛かるところだ。
        *         *
 マーヴェルの“Captain America”に続いては、DCから
“Captain Marvel”で、以前は“Shazam !”のタイトルで紹
介していたコミックスの映画化が、本来のヒーローの名前で
進められることになったようだ。
 この作品については、2003年1月1日付第30回で最初に紹
介したものだが、その後の紆余曲折の末に、現在は今年6月
15日付第161回で紹介したように『ゲットスマート』のピー
ター・シーゲル監督、ジョン・オーガストの脚本で進められ
ていることが報告されていた。
 そして今回は、『ゲットスマート』の大ヒットを受けたシ
ーゲル監督が、ワーナーと3年間の優先契約を結んだことが
発表され、その契約の一部として“Captain Marvel”の映画
化が正式に公表されたものだ。なお、以前に紹介した計画は
ニューラインで進められていたものだが、姉妹会社だった同
社がワーナーに吸収されたため、改めてワーナー映画として
の製作が進められる。
 ただし今回の発表で、主人公は10代の若者となっており、
以前紹介されたときのドウェイン‘ザ・ロック’ジョンスン
の主演がどうなったかは不明。製作母体が変っていろいろと
変更もあるのかも知れない。
 またシーゲル監督には、この計画の前に“Liam McBain:
International Tennis Star and Proper English Geezer”
と題された1980年代のテニス選手を主人公にした作品や、当
然“Get Smart”の続編の計画も発表されていて、“Captain
Marvel”がいつ実現するかは流動的なようだ。
        *         *
 ここからは新規の情報をいくつか紹介しておこう。
 まずは、ワーナーから“The Day Before”と題されたSF
映画の計画が発表されている。
 この題名からは、1983年の“The Day After”か、2004年
の“The Day After Tomorrow”などを連想しそうだが、本作

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12月01日(月)
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