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On the Production
by 井口健二
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■第168回
因に同じ原作からは、1984年にイギリスで全6話のテレビ
シリーズが製作されており、さらに85年、86年にもウィンダ
ム創作のキャラクターに基づくスピンオフのシリーズが製作
されるほどの人気だったようだ。そして今回の計画では、一
応、2010年の公開予定で進められることになっている。
ただし、この計画で問題なのは配給会社が決まっていない
ことだ。実はドリームワークスに関しては、昨年一旦はパラ
マウントに買収されたものの、その後にスピルバーグが海外
資金を集めるなどして再独立に成功。現在はどこの会社とも
配給権を結べる状態になっている。ところが、先にスピルバ
ーグとピーター・ジャクスンで進めているベルギーコミック
原作“Tintin”の映画化は、当初はユニヴァーサルの配給が
契約されたもののキャンセルされる事態となっており、ヒッ
トメーカーと言えどもリスクの高い作品には配給会社も躊躇
する状況になって来ているようだ。
現状で、興行的にSF映画のリスクが高いのは承知だが、
本作は正に大ヒット作『E.T.』の流れを汲む作品でもあり
そうだし、なんとか早めに配給が決まって、製作のゴーサイ
ンが出てほしいものだ。
* *
お次は、ロバート・ゼメキス率いるイメージ・ムーヴァー
スの計画で、『モンスター・ハウス』でオスカー候補になっ
たジル・ケナン監督と再びチームを組み、オーエン・コルフ
ァー原作“Airman”の映画化を進めることを発表した。
この原作は来年1月1日に出版予定とされているもので、
実はコルファーが7月に発表した“Artemis Fowl: The Time
Paradox”の巻末にその第1章が掲載されている。僕はこの
本を8月に購入して読み始めたが、まだそこまで読んでいな
かった。その原作は、今回の報道によると、19世紀を舞台に
熱気球を操る若きヒーローの物語とのことで、大空を舞台に
した海賊物といった感じの冒険物語のようだ。ただし空想科
学的な要素もあると紹介されていた。
コルファー作品では、すでに6巻が出版された“Artemis
Fowl”シリーズに以前から映画化の計画があるものだが、今
回はそちらが実現する前に新計画の発表となった。製作会社
も異なるしどちらが先行するかはまだ判らないが、互いに相
乗効果が得られると良い感じになる。
因に、イメージ・ムーヴァースの計画ということでは、パ
フォーマンスキャプチャーを使った作品になりそうだが、本
来が子供向けに書かれた作品ということではそれも良い方向
に考えられそうだ。
一方、2002年5月1日付第14回以来、何度も紹介している
“Artemis Fowl”については前々回に脚本家の名前も紹介し
たが、これを機に本格的な始動になってほしいものだ。
* *
日本から菊地凛子が出演したことでも話題になっている、
来年1月全米公開予定の“The Brothers Bloom”を監督した
ライアン・ジョンスンが、次回作ではタイム・トラヴェル物
に挑戦する計画が発表された。
計画されている作品は“Looper”と題されたもので、紹介
された内容によると、未来から転送されて来るターゲットを
始末する殺し屋グループの活動を描くとのこと。題名からは
そこにタイムループが発生することもありそうだが、大体、
未来から処刑のためだけにタイムトラヴェルをさせるという
のにも何か事情がありそうで、いろいろ興味をそそられるも
のだ。
なおジョンスン監督は、2005年の“Brick”という作品で
認められたものだが、フィルモグラフィーによると1996年に
“Evil Demon Golfball from Hell!!!”という短編作品があ
るようでちょっと気になる。タイムトラヴェル物はパラドッ
クスの処理が難しいが、こういうデビュー作を持つ監督なら
多少期待してもいいかなと思えるところだ。
製作会社はEndgame Entertainmentで、撮影は来年に予定
されている。因に同社では“The Brothers Bloom”も手掛け
ているもので、それが当ると本作が大型予算の作品に化ける
可能性もあるようだ。
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10月01日(水)
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