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On the Production
by 井口健二
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■第166回
うな絵柄が出てきて、コミックスに近い感じがした。
そしてこの映画化の脚色に、ジョン・カーペンター監督が
ニコラス・ケイジ主演で計画している“Scared Straight”
のオリジナル脚本を手掛けたジョー・ガザムの起用が発表さ
れている。因にこの脚本家は、今年5月15日付の第159回で
紹介した“21 Jump Street”にも関わっているようだが、ま
だ新人で過去に実現している作品はないようだ。
ということで、今回の作品の実現までには、まだ曲折があ
るかもしれないが、差し当たってアルコンはワーナー傘下の
ファミリーピクチャー専門の会社という位置づけで、2005年
の『レイシング・ストライプス』などCGIを使った作品の
実績もあるから、本作に登場する神秘生物は問題なく描かれ
そうだ。楽しい作品を期待したい。
* *
コミックスの話題はこれくらいにして、次はSF名作の映
画化の話題を紹介しよう。
ロバート・A・ハインラインの原作で、日本では「ジョナ
サン・ホーグ氏の不愉快な職業」の題名で翻訳のある“The
Unpleasant Profession of Jonathan Hoag”を、『アイ・ロ
ボット』などのアレックス・プロイアス脚本、監督で映画化
する計画がフェニックス・ピクチャーズから発表された。
原作は、ハヤカワ文庫の「ハインライン傑作集2−輪廻の
蛇」と題された短編集に納められているものだが、この作品
だけで200ページを超える中編と言っていい作品。内容は、
探偵事務所を訪れたホーグ氏が自らの尾行という奇妙な依頼
をし、その依頼を引き受けた私立探偵夫婦が奇妙な事態に巻
き込まれる…というもの。初出は1942年ということで、ハイ
ンラインの原作では比較的初期の作品のようだ。
上記の内容紹介を読むと、何やらフィリップ・K・ディッ
クの原作を思わせるようなお話だが、さらにこれにプロイア
スの脚本、監督では相当の作品ができそうだ。なおプロイア
スは、現在は2005年3月1日付の第82回などで紹介したSF
スリラーの“Knowing”を製作中だが、それを後数週間で完
了させた後、本作に取り掛かるとしている。
因に、ハインライン原作の映画化というと、最近では『ス
ターシップ・トゥルーパーズ』が、アメリカではDVD直売
とはいえ第3作まで作られているものだが、その他に“Have
Space-suit, Will Travell”(スター・ファイター)はワー
ナーが権利を保有して、『ファインディング・ニモ』などの
デイヴィッド・レイノルズが脚色を担当。また以前はヒッピ
ーの聖典などとも呼ばれた“Stranger in A Strange Land”
(異星の客)はパラマウントが権利を保有して、『アイ・ア
ム・レジェンド』などのマーク・プロトセヴィッチが脚色を
担当しているようだ。
そしてもう1本、2003年4月15日付の第37回などで紹介し
た“The Moon is a Harsh Mistress”(月は無慈悲な夜の女
王)は、『ハリー・ポッター』シリーズのデイヴィッド・ヘ
イマンと、『ゾディアック』などのマイク・メダヴォイの共
同製作で進められているが、この作品にはティム・マイニア
という脚本家の起用が発表されている。この脚本家は、イン
ディーズの出身のようだが、ロバート・デニーロ製作で進め
られている“Artemis Fowl”の脚色にも起用されており、ち
ょっと期待が持てそうだ。
* *
ここからはリメイクと続編の情報をいくつか紹介しよう。
その1本目は、1982年公開の“Poltergeist”(ポルター
ガイスト)のリメイクが、上記の“Knowing”も担当してい
るスタイルズ・ホワイトとジュリエット・スノードンの脚本
で進められることになった。
幼い少女が深夜の放送の終ったテレビ画面をじっと見詰め
ている…という無気味な映像で話題となったオリジナルは、
元々がスティーヴン・スピルバーグの原案に拠ったもので、
同じ年度に製作された『E.T.』の真裏の作品を目指したと
された。そして監督には、1974年の“The Texas Chain Saw
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09月01日(月)
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