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On the Production
by 井口健二
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■第164回
版を行い、映画化権はディメンションが獲得。ドースンの製
作主演で計画は発表されているが実現には至っていない。
 一方、“Caliber”に関しては、Radical Comicsという出
版社が権利を引き継ぎ、コミックスは今年6月に出版された
ようだ。なおこの出版社は、1970−80年代にはKISSやレッド
・ツェッペリン、ビートルズなども手掛けた元ロック写真家
のバリー・レヴィンが設立。シンガポールに本拠を置くアー
チスト集団Imaginary Friend Studiosとの連携の許、今年の
5月から本格的に始動しており、それに合せての映画化の発
表となったものだ。
 因にジョン・ウー監督は、以前の紹介の時にもすでに報告
されていたものだが、今回の発表ではウー作品を手掛けるラ
イオン・ロック社も製作会社に名前を連ねている。ただし、
ウー監督の予定では、『レッド・クリフ』の後編が来年正月
の公開予定で製作中であり、さらにその後には“1949”と題
された作品も計画されていて、今回の計画が進むのは少し先
になりそうだ。それにデップのスケジュールも目白押しで、
ここは少し待ちたいところでもある。
        *         *
 続けてRadical Comicsでは、『Xメン』や『スーパーマン
・リターンズ』などのブライアン・シンガー監督が主宰する
製作プロダクション=バッド・ハット・ハリーとも提携して
“Freedom Formula”と題された未来物のコミックスの映画
化計画も発表している。
 この作品は、未来型『トップ・ガン』とも紹介されていた
が、実は未来のカーレースを題材にした物語で、遺伝子操作
によって誕生したレースドライヴァーが、自分の血筋が社会
を変える力を持つことに気付く…というもの。これだけでは
何のことかよく判らないが、5巻本の原作コミックスは8月
から出版されるとのことだ。
 そしてこの映画化を、シンガー主宰のプロダクションで行
うというものだが、ただしシンガーはこの計画では製作のみ
担当して、監督にはタッチしないとのこと。なおシンガーは
もう1本、Image Comics発行の“Capeshooters”と題された
スーパーヒーロー専門のパパラッチを描いたコミックスの映
画化にも製作のみで参加するとしており、“Superman”の続
編の映画化が頓挫している状態でこのスタンスは、ちょっと
勘繰りたくなるところだ。
 さらにRadical Comicsでは、ユニヴァーサル及びスパイグ
ラス社とも、“Hercules: The Thracian Wars”と題された
コミックスの映画化(『ハンコック』のピーター・バーグ監
督)を契約しており、それぞれレヴィンが製作者にも名を連
ねる契約では、先にマーヴェル・コミックスが映画製作会社
を立上げて成功した後を追う構えのようだ。ただし実際は、
Speekeasyもそれを試みて失敗している訳で、ここは先人の
轍を踏まぬようにも頑張ってもらいたいものだ。
        *         *
 お次は、前々回“Red Sonja”の計画を紹介したロバート
・E・ハワードの創造によるキャラクターで、『コナン』や
“Kull”のシリーズにも登場する不死身の魔法使いタルサ・
ドゥームを、『ブラッド・ダイヤモンド』などでオスカー候
補にもなっているジャイモン・フンスーの製作主演で映画化
する計画が発表された。
 このキャラクターは、実はハワードの小説よりもコミック
スで活躍しているようで、来年Dynamite Entertainmentとい
う会社が出版を予定しているシリーズでは、ドゥームを主役
にした物語も登場することになっている。そして今回は、こ
のコミックスの出版に合せて映画化が計画されたようだ。
 因に、1982年公開の映画『コナン・ザ・グレート』では、
ダース・ヴェーダーの声でも知られるジェームズ・アール・
ジョーンズがこの役を演じており、確かちょっとひょうきん
な感じで演じられていた記憶がある。その役柄をフンスーが
引き継ぐことになるものだが、今回は主役ということで、彼
がヒーローになり損ねた事情や不死身となった経緯などが描
かれることになるようだ。

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08月01日(金)
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