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On the Production
by 井口健二
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■クローン・ウォーズ、シャカリキ!、夢のまにまに、ハムナプトラ3、アキレスと亀、練習曲、ブロークン
将軍、女魔法使いの戦いが巻き起こる。そして悪と化した皇
帝を倒すことのできなかった女魔法使いは、皇帝の動きを封
じる呪いをかけるが…
時は巡って1946年。第二次大戦が終戦し、中国国内では国民
党と共産党の戦いが始まろうとしている。そんな中、2000年
前の皇帝のミイラを復活させ、その最強の軍団も甦らせて政
権を奪取しようとする一団が現れる。
そんな陰謀に乗せられたオコーネル一家が、今回は中国で甦
った皇帝のミイラを相手に、人類の存亡を賭けた戦いに挑む
ことになる。
前2作はスティーヴン・ソマーズの監督で、どちらかという
とコメディの要素の強い作品だった。それに対して今回は、
ソマーズは製作に下がり、監督には『トリプルX』などのロ
ブ・コーエンを迎えてアクションの要素もたっぷりの作品と
されている。
そしてそれを支えるのがジェット・リー、ミシェル・ヨー、
イザベラ・リョンら中華系のアクションスターたちで、さら
にスタッフにも中国映画界の人材が数多く起用されて、本格
的なアクション映画に仕上げられている。
それにしてもコーエンは、自作の続編には参加しなかったの
に、今回は他人のシリーズへの参加というのも面白いところ
だ。しかも本作は現代劇ではないが、『ステルス』や『ワイ
ルド・スピード』でも見られたメカフェチぶりが、ちゃんと
発揮されているのにも感心した。
それに、リーが演じているのは秦の始皇帝だと思われるが、
万里の長城から兵馬俑まで、歴史的な事柄がちゃんと押さえ
られているのも感心したところだ。そして物語は、シャング
リラにまでおよぶ壮大なものになっている。
脚本は、ジャッキー・チェン主演の『シャンハイ・ヌーン』
や、ロバート・デ=ニーロ主演『ショウタイム』なども手掛
けたマイルズ・ミラーとアルフレッド・ゴーフ。アクション
コメディの要素もたっぷりと描かれている。
シリーズの共演者では、エヴリン役は、『ジェーン・オース
チンの読書会』などのマリア・べロに交代したが、ジョナサ
ン役はジョン・ハナが3作連続で登場。また、前作では子役
が演じていたアレックス役は今回は新人のルーク・フォード
が演じている。
シリーズは第4作にも続きそうだ。

『アキレスと亀』
昨年の『監督・ばんざい!』に続く北野武監督最新作。
北野作品は、2005年の『TAKESHIS'』と、前作はストーリー
性が希薄で、ある意味難解だったが、本作では画家になるこ
とを刷り込まれた少年が、ただ画家になることだけを目指し
て進んで行く物語として、それは判りやすいものだ。
その少年の名前は真知寿。裕福な家の産まれた少年は、美術
愛好家の父親の庇護のもと、画家になることだけを目標に少
年時代を過ごしている。ところが父親の会社が突如倒産、一
家は離散となる。
そして、芸術に無理解な叔父の家に預けられた少年は悲惨な
生活を強いられるが、それでも画家になる夢は手放さない…
というより、他の勉強を全くしてこなかった少年には、画家
になることしか残された道はなかったのだ。
そんな少年は青年となり、生活のために勤める職場で1人の
女性と巡り会う。その女性は「私なら、彼の芸術、わかると
思う」という一念で、彼と生涯を共にすることになるが…売
れない芸術家の生活は尋常なものではなかった。
こんな物語の流れに沿って北野武本人の手になる絵画が何点
も登場し、またその制作過程なども紹介されて、それはなか
なか面白いものになっていた。特に制作過程の紹介では、い
ろいろ実験的な手法も登場して、それも楽しいものになって
いる。
その一方で、美術品の評価に対してはかなり辛辣に、皮肉め
いた発言も登場するなど、いわゆる世間に対する批判的な部
分も描かれている。と言っても、まあそれなりに常識的な線
で、あまり過激な発言というほどのものではない。
でお話は、その売れない芸術家と生涯を共にすることにした
女性との愛情物語が中心で、それはまあ男のロマンに付き合
わされる女性はこんなものかなあという、ある種の夢のよう

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07月27日(日)
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