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On the Production
by 井口健二
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■第163回
ホームズの映画化は、1905年製作の無声映画から200本近
い作品数があるようで、過去にはピーター・クッシングや、
クリストファー・リーなども名探偵を演じている。しかし、
最近はテレビでの活躍が目立つもので、僕自身、映画版では
1985年公開の『ヤング・シャーロック』くらいしか印象には
残っていなかった。それが一気に2本とは、これで映画での
名探偵復活にもなってほしいものだ。
* *
次はコミックブックの映画化で、ワーナーが、イメージ・
シャドウラインから発表されている“Hiding in Time”とい
うシリーズの権利獲得を発表した。
この作品は、クリストファー・ロングという原作者による
もので、タイム・トラヴェルを利用した高度な目撃者保護プ
ログラムを描いたもの。まさに題名の通りのもののようだ。
ところがその中でトラブルが発生し、助手の1人が暗殺者に
狙われることとなる。その救出のため、政府機関の科学者が
元犯罪者と共にいろいろな歴史的瞬間を巡って問題の解決に
当たるが…という展開になっている。
そしてこの脚色に、先にフォックスで、10月17日全米公開
予定の“Max Payne”というヴィデオゲームの映画化を担当
しているビュー・トーメの起用が発表された。
タイム・トラヴェル物は、前回も書いたようにパラドック
スの扱いが難しいが、本作はどうなっているか。原作がある
ということはそれだけしっかりした展開にはなりそうだが、
原作はしっかりしていても、脚本で打ち壊しになってしまう
こともあるので気になるところだ。因に“Max Payne”は、
DEA(麻薬取締局)の捜査員を主人公にしたアクション・
スリラーとのことで、普通のアクション映画のようだ。
* *
続いてはゲームの映画化で、カプコンが2007年にアメリカ
発売し、200万本を売り切ったというゲーム“Lost Planet”
の映画版を、ワーナーとカプコンの共同製作で進めることが
発表された。
物語は、人類救済のため、氷の惑星でエルギー源の調査に
向かう遠征隊の冒険を描くものとのことで、根本のテーマは
違うが、何となく『ザ・デイ・アフター・トゥモロー』を思
い出させる感じの作品になりそうだ。
そしてこの脚本に、『Xメン』『スコーピオン・キング』
を手掛け、『300』のザック・スナイダー監督が現在製作
中の“Watchmen”も担当したデイヴィッド・ハイターの起用
が発表されている。また製作は、元マーヴェルの映画製作を
担当していたアヴィ・アラドが行っており、アラドとハイタ
ーは『Xメン』のコンビ復活となっている。このコンビ復活
で、どのようなアクションドラマが作られるか楽しみだ。
因にハイターは、『Xメン』には俳優としても登場してい
たようだが、さらにゲームの“Metal Gear Solid”には、英
語版スネイク役の声優として第1作からレギュラー出演して
いるとのことで、現在計画が発表されている同ゲームの映画
版の脚本も手掛けている。
一方、製作者のアラドは、現在はファンタシー映画専門の
シーサイド・エンターテインメントというプロダクションを
主宰しているが、同社では“Ghost in the Shell”の3D実
写版の計画もドリームワークスと進めており、この計画には
スティーヴン・スピルバーグが監督を希望しているとの情報
もあるようだ。
さらにカプコンでは、“Resident Evil”(バイオハザー
ド)の第4作の計画もソニーと進めているようで、こちらは
製作総指揮のポール・WS・アンダースンが、8月22日に全
米公開されるリメイク版“Death Race”を終えたら、新たな
動きが出てきそうだ。
* *
『バイオハザード』の続編情報が出たところで、シリーズ
物の話題を後2つ紹介しておこう。
まずは『ナルニア国物語』の第3章“Voyage of the Dawn
Treader”について、撮影スタジオをニュージーランドから
メキシコに移すことが発表されている。
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07月15日(火)
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