ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460285hit]

■第162回
ニメーションによって映像化されていた。
 そしてこのオリジナルからのリメイクは、9月に全米公開
される『イーグル・アイ』などのジョン・グレンが基本アイ
デアを提出し、『レイダース/失われた聖櫃』などのローレ
ンス・カスダンが脚本を執筆している。
 またこの計画には、共同出資、共同製作として『300』
を手掛けたレジェンダリー・ピクチャーズが参加しており、
前作同様グリーン・スクリーンを駆使した映像化が行われる
ことになるようだ。まあ、ハリーハウゼンの頃も基本的には
ブルー・スクリーンでの撮影だったものだが、今回はさらに
進化したディジタルVFXの成果が観られそうだ。
 公開は2010年の予定になっている。
        *         *
 続いては、テレビシリーズからのリメイクで、2007年8月
1日付第140回などで紹介した“The Green Hornet”の映画
版について、製作会社のソニーから公式ロゴマークの発表が
行われた。これで、本作の製作は正式にスケジュールに載っ
たことになるものだそうだ。
 大元は、1936年に放送開始されたラジオドラマで、西部劇
の『ローン・レンジャー』と同じ原作者によって都会を舞台
に創造された物語は52年まで放送された。因に主人公のブレ
ット・レイドは、設定上はローン・レンジャー(ジョン・レ
イド)の遠縁とされていた。また、この放送中の40年と41年
には、連続活劇シリーズも作られている。
 そしてこの原作からのテレビシリーズは、1966年〜67年に
1シーズンだけ製作され、ヴァン・ウィリアムスの主演で、
ブルース・リーが助手カトーを演じたシリーズは、毎回30分
の枠で全26回が放送された。ただし当時は、『バットマン』
などに比べると派手さに欠け、正直1シーズンで終了したシ
リーズではあったが、その後にリーの人気と共に見直されて
行くことになる。
 というシリーズだが、自分的には何故か毎回観ていた記憶
があって、何が魅力だったかはよく覚えていないが、とりあ
えずは今回のリメイクには期待を寄せているものだ。
 その映画化の計画は、かなり以前からユニヴァーサルや、
ミラマックスなどでも進められたが、いろいろな事情で実現
しなかった。それが、昨年4月1日付第132回で紹介したよ
うに、コロムビア傘下のニール・H・モリッツが新たに権利
を獲得して進められることになった。
 この計画では、すでにセス・ローガンの脚本、主演なども
報告されているものだが、今回の報告では2010年6月25日の
全米公開も明記されたようだ。なお脚本は、ローガンがパー
トナーのエヴァン・グリーンと執筆中。その配役にローガン
は、カトー役でチャウ・シンチーの共演を希望しているが、
まだ契約はされていないようだ。
        *         *
 もう1本もテレビシリーズからだが、これはちょっと残念
と言うか、映画化ではなくなったもので、2006年8月15日付
第117回で紹介した“The Prisoner”が、6話完結のミニシ
リーズとしてリメイクされることになった。
 オリジナルは、1967年に放送されたイギリス製のアクショ
ンドラマで、物語の発端は元は諜報員だったと思われる男が
ガスで眠らされて拉致され、リゾート風の家で目覚める…と
いうもの。
 そこは、ヴィレッジと呼ばれる場所で、そこで男はNo.6と
呼ばれ、No.2と名告るリーダーから辞職の理由を聞かれるの
だが、男にはその場所が味方のものか、敵方のものかも判ら
ない。従って質問に答えていいかどうかも判らない。そして
シリーズでは、毎回主人公がヴィレッジからの脱出を試みた
り、No.2が奇想天外な懐柔策を展開するなどのドラマが繰り
広げられていた。
 この主人公を、すでに『秘密諜報員ジョン・ドレーク』で
人気のあったパトリック・マッグーハンが演じて、物語は全
17話で完結する仕組みになっていた。また、主演のマッグー
ハンは、原案と共同製作及び一部エピソードの監督も務め、
事実上彼のワンマンシリーズとも言える作品だったようだ。

[5]続きを読む

07月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る